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資料2-5 重篤副作用疾患別対応マニュアル 進行性多巣性白質脳症(PML)(案) (13 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00004.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第14回 9/15)《厚生労働省》
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DMD における薬剤関連 PML の報告例としては、日本ではフィンゴリモドが最
多である(8 人/6642 人)。フィンゴリモドの PML 発症リスクは現在までのと
ころ不明であるが、投与期間が2年以上のケースが多いとされる。
フマル酸ジメチルでは、2021 年 9 月現在、MS 例 1,000 人に 0.02 人の頻度
で PML の発症が報告されている。重度かつ長期のリンパ球減少(6 ヶ月以上
継続してリンパ球数 500/mm3 未満)にて PML の発症リスクが高まる可能性が
指摘されている 10)。
シポニモドでは、本剤を使用された MS 患者での PML 発症の報告は現時点
ではないが、同様な機序をもつスフィンゴシン 1 リン酸受容体 1 型(S1PR1)
及び 5 型(S1PR5)の選択的モデュレーターであるオザニモドでは治験で 1 例
の PML が報告されている。
オファツムマブでは、本剤を使用された MS 患者での PML の報告は 2022 年
1 月時点ではないが、MS での用量に比べて 100 倍の用量で点滴静注投与する
慢性リンパ性白血病(承認整理済み)に対しての使用で PML 発症の報告があ
る。また、類似の作用機序をもつ抗 CD20 モノクローナル抗体製剤であるリ
ツキシマブ、オクレリズマブでは PML の発症が報告されている。抗 CD20 抗
体同様、B 細胞をターゲットとする抗 CD19 抗体であるイネビリズマブ(視神
経脊髄炎スペクトラム障害治療薬)でも、現在までのところ PML 発症の報告
はないが、注意は必要であると考えられる。
重症筋無力症、視神経脊髄炎スペクトラム障害で使用されているエクリズ
マブでも PML の症例報告があるほか、視神経脊髄炎スペクトラム障害で使用
されているサトラリズマブにおいては、類似の作用機序を有する IL-6 受容
体に対するモノクローナル抗体、トシリズマブにおいて関節リウマチ患者へ
の投与で PML の症例報告がある。

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