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資料2-5 重篤副作用疾患別対応マニュアル 進行性多巣性白質脳症(PML)(案) (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00004.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第14回 9/15)《厚生労働省》
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1.進行性多巣性白質脳症とは?
進行性多巣性白質脳症(PML)は、JC ウイルスによって引き起こされる
主に脳の感染症です。
JC ウイルスは、ポリオーマウイルスに属する DNA ウイルスで、発端者の
イニシャルから JC と命名されました。幼少時に症状が無く感染し、多くの
方が体内(主に腎臓)に持っています(成人の 60~80%程度)が、実際に
このウイルスが感染症を引き起こすことはほとんどありません(最近の日
本での発生頻度は 0.9 人/1000 万人)
。ところが、主に免疫が低下した病気
ないし状態の方の場合、PML が発症することがあります。最近、様々な免
疫に関係する薬が開発され、その一部に PML を発症させてしまう薬がある
ことがわかってきました。PML は根本的な治療法がないため、一旦発症し
てしまうと、命に関わることが多いです。一方、早めに PML に気づくこと
で、病状の進行を抑えたり、少し良くさせたりすることができる可能性が
あります。

2.進行性多巣性白質脳症を引き起こす可能性のある薬剤は?
免疫抑制薬や悪性腫瘍に対する薬剤、さらに多発性硬化症の薬で PML を
発症することが報告されています。PML を発症する薬剤は多岐にわたりま
す。ただし、薬剤によりそのリスクは異なります。なかには治療対象とな
っている疾患そのものが PML のリスクとなっており、薬剤がどの程度 PML
発症に関与したのかはっきりしない薬剤もあります。薬剤の詳細は、本マ
ニュアルの「B. 医療関係者の皆様へ」の表 1 をご参照ください。

3.進行性多巣性白質脳症の初期症状
様々な症状が報告されていますが、多いのは、認知機能の低下、しゃべ
りづらさ、言葉が出ない、手足の麻痺などです。その他、性格変化や異常
行動などの精神症状や感覚障害を認めることもあります。これらの症状は
週単位で進行し、数ヶ月で寝たきりの状態になることが多いです。

4.早期発見と早期対応のポイント
PML の症状が出現する前から、脳 MRI では PML の所見が出現することが
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