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○個別事項(その4)について-7-1 (23 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00120.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第497回  11/17)《厚生労働省》
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ステップ③ 体外受精・顕微授精について
○ 患者から採取した卵子及び採取・精製した精子を用いて受精させるための技術。シャーレ上で受精させる体外
受精と、1つ1つの卵子に精子を直接受精させる顕微授精とがある。
【体外受精】
○ 調整した精子を卵子の入った媒精用培養液に注入し、17~20時間培養する。
○ 培養した卵を鏡検し、雌雄前核の有無や第2極体方放出の有無により受精を確認する。

卵子と精子

【顕微授精】
○ 顕微授精は「難治性の受精障害で、これ以外の治療によっては妊娠の見込みがないか極めて少
ないと判断される場合」に実施される(精子無力症等の疾患や、精巣上体精子あるいは精巣精子
を用いる場合などが適応となる)。
○ 顕微授精は、体外受精の媒精部分を「取り出して」行うものであり、それ以外のプロセスは同
様である。第2減数分裂中期の卵子に対して、不動化した健常精子を注入する。

受精卵

【生殖医療ガイドラインの記載事項】


CQ

3 ○ 体外受精・顕微授精の至適試行回数と適格条件
は?体外受精・顕微授精は妊娠成立に有効か?

Answer
1.体外受精治療は、原因不明不妊症に対する治療として有効である。(A)
2.体外受精治療は、女性年齢の増加により治療当たりの出生率が低下する。(A)
3.体外受精治療は、治療回数の増加に伴い累積出生率は増加するが、これは女性年齢、不妊原因、
治療法などにより影響を受ける。(B)
4.体外受精治療を行う際には、日本産科婦人科学会の見解・会告に従う。(A)

4 ○ 直接体外受精・顕微授精に進んでよい場合は?卵 1.両側卵管機能を喪失している不妊症例の場合、体外受精を行う。(A)
管両側閉鎖や重度男性不妊症例(精子濃度100万/ml
以下など)に対する一般不妊治療は無効か?体外受
精・顕微授精が有効か?

2.重度男性不妊症例の場合、泌尿器科的検査を行う。(A)
3.重度男性不妊症例の場合、体外受精・顕微授精を行う。(B)
4.精巣や精巣上体より外科的に採取した精子を治療に使用する場合、顕微授精を行う。(A)
5.原因不明不妊等、男性不妊症例以外に生殖補助医療を施行する場合の初回治療で、いわゆるsplit
inseminationの施行が考慮されることがある。(B)

17 ○ in vitro maturation(IVM)の適応と効果は?IVMは 1.PCOS患者に対する生殖補助医療では、OHSS発症予防策を講じながら調節卵巣刺激を行う。(A)
PCOSの患者の妊娠成立に有効か?

22 ○ 精子の強拡大による選別(IMSI、PICSI)は有効

か?高度な精子選択技術は生殖補助医療に有効か?

2.OHSS発症リスクが特に高い場合には、IVMは許容される。(B)

1.生殖補助医療における高度な精子選択技術を行うことを考慮してもよいが十分な根拠はない。
(C)

23 ○ 人為的卵活性化処理の安全性は?人為的卵活性化 1.Ca イオノフォアによる人為的卵子活性化(artificial oocyte activation、AOA)は、ICSI における受精
処理は生殖補助医療に有効か?

障害に対して有効な治療法である。(B)
2. ICSI とICSI-AOAで先天異常、産科的予後、新生児予後に関して有意な差はなかった。(B)

参考:「生殖医療の必修知識2020」(日本生殖医学会)、「生殖医療ガイドライン」(日本生殖医学会)

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