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「厚生科学健康危機管理センターと多分野連携体制の推進のための研究」令和4~7 年度成果物報告書(研究代表者:久保 達彦)[4.2MB] (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_69348.html
出典情報 災害時の保健・医療・福祉分野の連携強化検討会(第2回 1/26)《厚生労働省》
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2. 運営の手順
5)健康管理

参考事例・ポイント等

安全衛生担当は本部⻑の直轄におかれる。健康危機発生直後からしばらくは⻑時間勤務を余
儀なくされ、次のような状況や状態におかれることを念頭に、従業者の業務マネジメント(労務
管理)とメンタルヘルス対策(心のケア)を両輪で⾏う。極端に疲労の蓄積のある従業者に対し
ては一時的に本部から退避を⾏うなどの助⾔を本部⻑等に⾏うものとする。必要に応じて、出向
元の省庁や機関などの健康管理担当者らに連絡を取るものとする。
また、従業者が危険な区域(放射線管理区域、化学物質漏洩区域、アスベスト⾶散区域な
ど)へ一時的に出向する場合においてはその健康影響について、出向区域の担当者らの緊密な
連携のもと、簡易なリスクアセスメントを⾏いその防護措置について助⾔を⾏う。

参考事例

健康管理に関する取組例

『保健医療福祉調整本部等におけるマネジメントの進め方 2025』では、「健康管
理」について、次のように記載されている。

(新型コロナウイルス感染症対応での事例・意⾒も踏まえて検討した。)

<従業者が置かれる状況や状態>

○ 業務マネジメント(労務管理)とメンタルヘルス対策(心のケア)を両輪で進める。

慣れない業務を膨⼤に抱えること、意思決定の連続であること、懸命に対応してい
るにも関わらず、厳しい意⾒を受けやすい⽴場であること等から、メンタルヘルスの
問題を抱えがちになる。

○ ストレスの種類には、⻑時間労働による心⾝へのストレス、必要な対応が⼗分にでき
ないストレス、批判や苦情のストレスがある。
<業務マネジメント>

急性ストレス反応(突然怖い体験を思い出す、不安や緊張が続く、現実感がない、眠
れない、頭痛がする等)は、多くの場合に一過性で⾃然と回復するが、不眠不休で職務
に従事し続け、休息も取れないことでストレスを受け続けると、⻑期的にPTSDや抑う
つを発症しやすくなる。

○ 業務の効率化により、過重労働を減らし、交代で休めるようにする。特に係内で順番
に休むなど具体的かつ取り組みやすい対応が必要である。特に災害対応の初期におい
ては、職員が頑張り過ぎる傾向があることから、「休むことも仕事」と場合によって
は強制的な交替を求めることも必要。

また、極端な疲労の蓄積は集中⼒の低下など作業効率の低下を引き起こし、本部活
動の妨げになることから、従業者の健康管理は復旧活動の成否に直結する内容である。

○ ⾏政及び⺠間による災害対応の状況等を積極的に広報・情報発信(コミュニケーショ
ン)することが、⾏政に対する批判や苦情の軽減につながり、ひいては業務負荷軽減
にもつながる。ただしコミュニケーションに関する体制は、重複や情報の錯綜を防ぐ
うえでも、専任チームの担当など一元化されていることが望ましい。

⚫ 有害作業に携わる労働者の健康管理
対策本部外に出張する職員について、出張先に存在する5つの健康障害要因(物理的因⼦、
化学的因⼦、生物学的因⼦、⼈間⼯学的因⼦、心理社会的因⼦)を特定し、従業者の適切な健
康確保措置を実施する。

○ どのような状況や⾒通しであるのか、職員間で情報共有を進めることも不安軽減につな
がる。

⚫ 業務マネジメント(労務管理)の⽀援

<メンタルヘルスケア>

業務の効率化をはかり、過重労働を減らし、交代で休めるように⼯夫したオペレーション。
テンポを作成し、睡眠時間の確保を⾏うとともに、週に1⽇は完全に災害業務から離れる時間
をつくる。また、休憩時間を確保するとともに、従事者が市⺠や支援者等の視線に触れずに安
心して休息をとれるように休憩スペースを確保し、その活用を促す。

○ 職員の心のケアは、セルフケア、相互支援、組織的対応、専⾨職による支援の4つの
柱で⾏う(保健師のための積極的疫学調査ガイド 第2.1版)。(メンタルヘルスケア
は、一般の産業保健では、セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッ
フなどによるケア、事業場外資源による4つのケアが重要と⾔われる。)

疲労蓄積の測定手段として、⽇々の血圧測定やJ-SPEED健康チェック(広島⼤学公衆衛生学
所有)などが存在する。セルフケアの一環として労働時間や睡眠時間を記録しておくことを従事
者に推奨することも考えられる。

○ 同じ⽴場の職員同⼠や活動者等に思いを吐露できる機会を作る。
○ 精神保健福祉センターなどの支援や助⾔を受ける。
(『保健医療福祉調整本部等におけるマネジメントの進め方 2025』)

苦情等の防⽌に資すると判断された場合においては広報などの手段を通じ、従業者に批判が
集中しない社会環境の醸成をはかる。また、住⺠からの誹謗中傷などについては、組織的に対
応し個⼈に批判が集中しないよう組織内において取り計らう。

<考慮すべき事項・ポイント>
✓ 本部職員の健康管理を担う安全衛生担当について、職員厚生部局の産業保健スタッ
フ等に担ってもらう可能性が考えられる。なお、健康管理と安全管理は必要とされ
る専⾨性が異なる場合もあるため、担当者をわけて選任することは一案である。

⚫ メンタルヘルスケア(⼼のケア)
⻑時間労働による心⾝へのストレスや、必要な対応が⼗分にできないストレス、批判や苦情
のストレス等に対し、従事者一⼈ひとりへの定期的な健康モニタリングを⾏う。セルフケア、
相互支援、組織的対応、専⾨職による4つの柱で心のケアを⾏う。得られた組織的データを分
析に定例ミーティングなどで報告し、組織的改善を支援する。

✓ 危機時健康管理の課題はメンタルヘルスや過重労働以外にも多くの健康障害要因が
存在することから幅広い健康障害について事前に知⾒を備える必要である。

⚫ 対策本部内の環境整備
対策本部内の温湿度、照明、机、椅⼦など従業者の活動継続にふさわしい作業環境であるか
定期的に本部内巡視および巡視報告書を作成する。必要に応じて適切な資機材について調達を
⾏う。

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✓ 内部スタッフは復旧対応業務に従事していることから、従業者の健康管理について
優先順位が低くなること、知り合いであることから従業者から相談しにくいことも
あること、関係者であることから利益相反などが発生することなどもあることから、
外部者である災害産業保健支援チーム(DOHAT;事務局は産業医科⼤学災害産業保
健センター)に依頼することも考えられる。なお、DOHATは健康障害要因を網羅的
に評価することが可能である。

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