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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (69 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●5 薬物療法

4 妊婦に対する薬物療法
1

有益性投与

【レムデシビル】 妊娠中使用のデータは少なく,各国の指針でも定まった記述はされていな

い.米国 NIH の指針では投与可能とされている.カナダにおけるメタアナリシスで,少な

くとも妊娠後半期や授乳婦では非妊婦と同様の基準で投与できるが,妊娠初期の安全性は
十分なデータがないとされる.

【ニルマトレルビル/リトナビル】 米国において,47 例の妊婦(30 例は重症化リスクあり)
に投与され,副作用のため2例が投与中止になったが,妊婦本人や胎児に重篤な有害事象は

増加しなかったとされる.併用禁忌薬が多いことから,同時に処方される薬剤に留意する.
【中和抗体薬】 カシリビマブ,イムデビマブ,ソトロビマブ,チキサゲビマブ,シルガビマ

ブのいずれも妊娠中使用のデータは少ない.米国 NIH の指針では中等度の推奨(専門家の
意見)と記載されている.

【デキサメタゾン(ステロイド)】 適応は中等症Ⅱ~重症のみである.デキサメタゾンは成
人患者の死亡率低下に最も実績があるが,胎盤通過性を有する.短期投与なら胎児に与え

るリスクは小さいと考えられ,米国 NIH の指針では人工呼吸を要する患者に強い推奨(専

門家の意見),人工呼吸を要しないが酸素投与を要する患者に中等度の推奨(専門家の意見)

と記載されている.プレドニゾロンは胎盤通過性は低いとされ,英国産婦人科学会の指針で
は,胎児肺成熟の必要性に応じた使い分けが示されている.

【トシリズマブ】 オーストラリアのガイドラインでは,レムデシビルと並び,条件付きで妊
婦への投与が推奨されている.動物実験で胎盤関門を通過することが報告されているが,

従来投与されてきたリウマチ疾患でも胎児新生児への大きな副作用は報告されていない.

2

禁 忌

【バリシチニブ】【エンシトレルビル】
【モルヌピラビル】

動物実験で催奇形性や胎児毒性が報告されており,妊婦への投与は禁忌である.

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