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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (35 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●4 重症度分類とマネジメント

1

中等症Ⅰ 呼吸不全なし

薬物療法のポイント
・レムデシビル以外に,発症から 5 日以内,かつ重症化リスク因子のある患者には,経口
抗ウイルス薬(モルヌピラビル,ニルマトレルビル/リトナビル)の投与も考慮される

・中和抗体薬はオミクロンに対して効果が減弱しているため,上記において抗ウイルス薬
が使用できない場合に検討する

・発症から 3 日以内,かつ重症化リスク因子がなく,発熱,咽頭痛,咳などの症状が強い
患者には,エンシトレルビルの投与も考慮される

・ステロイド薬は使用すべきではない.ただし,他疾患で使用中のステロイド薬を中止す
る必要はない

〇 安静にし,十分な栄養摂取が重要である.また,脱水に注意し水分を過不足なく摂取させるよう
留意する.

〇 バイタルサインおよび SpO2 を 1 日 3 回程度測定する.低酸素血症を呈する状態
に進行しても呼吸困難を訴えないこともある.

〇 重症化リスク因子を有する場合,特にワクチン接種を受けていない患者では病状の進行に注意が
必要である.

〇 喫煙者は禁煙が重要である.

〇 一般血液・尿検査,生化学検査,血清検査,凝固関連,血液培養などを必要に応じて行う.
リンパ球数の低下,CRP,フェリチン,D ダイマー,LDH,KL-6,IFN- λ 3 などの上昇は重
症化あるいは予後不良因子として知られている.

〇 血清 KL-6 値は,肺傷害の程度,および炎症の程度と関連し,また肺の換気機能を反映するこ
とから,肺病変の進行の程度を反映するマーカーとなりうる.

〇 発熱,呼吸器症状や基礎疾患に対する対症的な治療を行う.

2

中等症Ⅱ 呼吸不全あり

薬物療法のポイント
・呼吸不全がウイルス性肺炎による場合,ステロイド薬の投与が推奨される.その際,レ

ムデシビルとの併用が望ましい.ただし,
高用量ステロイド投与
(ステロイドパルス療法)
の有効性と安全性は明らかになっていない

・バリシチニブやトシリズマブが用いられることもある

・血栓塞栓症の合併に注意し,D ダイマー測定などの評価を行い,抗凝固療法も考慮する

「4-4-6 血栓症対策」を参照)

〇 呼吸不全のため,酸素投与が必要となる.呼吸不全の原因を推測するため,酸素投与前に動
脈血液ガス検査(PaO2,PaCO2)を行う. また,必要に応じて人工呼吸器や ECMO の医
療体制の整う施設への転院を考慮する.

〇 高齢者では,うっ血性心不全,誤嚥性肺炎,二次性細菌性肺炎が呼吸不全の原因となること
に留意する.これらが呼吸不全の主な原因の場合,ステロイド投与は推奨されない.

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