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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (56 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●5 薬物療法

死亡率ともに有意差を認めなかった.
香港における調査では,COVID-19 患者 1,074,856 人中 6,464 人(61 歳以上 85.9%,ワ
クチン接種 2 回以上 33.4%)に本薬剤が処方された.非処方群に対する調整ハザード比は死
亡 0.34 (0.22 〜 0.52),入院 0.76 (0.67 〜 0.86),入院後の重症化 0.57 (0.38 〜 0.87) で
あり,いずれも統計学的に有意差を認めた.
投与方法(用法・用量)

〔成人および 12 歳以上かつ体重 40 kg 以上の小児〕ニルマトレルビルとして,1回 300 mg
およびリトナビルとして1回 100 mg を同時に1日2回,5日間経口投与する.
投与時の注意点
・臨床試験における主な投与知見を踏まえ,重症化リスク因子を有するなど(表 5-1 参照),
本剤の投与が必要と考えられる患者に投与すること.
・重症度の高い(概ね中等症Ⅱ以上)患者に対する有効性は確立していない.
・SARS-CoV-2 による感染症の症状が発現してから速やかに投与を開始すること.臨床
試験において,症状発現から 6 日目以降に投与を開始した患者における有効性を裏づけ
るデータは得られていない.
・中等度の腎機能障害患者[30 ≦ eGFR (mL/min) < 60]には,ニルマトレルビルとして1
回 150 mg およびリトナビルとして1回 100 mg を同時に1日 2 回,5日間の経口投与に
減量すること.重度の腎機能障害患者[eGFR(mL/min)< 30]への投与は推奨しない.
*なお,通常,eGFR は mL/min/1.73 m2 で表記されるため,本剤の投与を検討する患者の体表面積が 1.73 m2
から解離する場合,個々の患者の体表面積で補正する(詳細は eGFR・CCr の計算:日本腎臓病薬物療法学会
https://jsnp.org/egfr/ を参照).

・本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため,服薬中のすべての薬剤を確認する
こと.また,本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合,事前に相談するよう患者
に指導すること.〈参考〉添付文書 https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/62501B5X1020_1_01/
特定の背景のある患者への投与

〔HIV 感染患者〕未治療またはコントロール不良の HIV 感染患者に投与した場合,HIV プ
ロテアーゼ阻害剤に対する耐性が生じる可能性がある.
〔腎機能障害患者〕上記の「投与時の注意点」を参照.コルヒチンを投与中の患者には,コ
ルヒチンの血中濃度が上昇するおそれがあり,投与しないこと.
〔肝機能障害患者〕肝機能障害が増悪するおそれがある.コルヒチンを投与中の患者には
投与しないこと.
〔妊婦〕治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること.
妊娠ウサギにニルマトレルビルを投与した実験において,臨床曝露量 10 倍に相当す
る用量で胎児体重の減少が認められている.また,妊娠ラットにリトナビルを投与した
実験において,胎盤を通過して胎児へ移行することが報告されている.
〔授乳婦〕治療上の有益性および母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続または中止を検
討すること.
ニルマトレルビルのヒト乳汁への移行性については不明であるが,リトナビルはヒト
乳汁中へ移行することが報告されている.
〔小児等〕小児等を対象とした臨床試験は実施されていない.

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