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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (20 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●2 臨床像

保育所関係者からの感染はそれぞれ 13 %,10 % であった.さらに,オミクロン流行前は,父
親から子どもへの感染が約 4 割を占めていた家族内感染は,オミクロン流行後,父親 645 例(26

%),母親 650 例(26 %),両親 82 例(3 %),同胞間 892 例(36 %),祖父母 83 例 (3 %),

その他 119 例(5 %)となっており,母親から子ども,および同胞間での感染割合が増加した.
学校および幼稚園・保育所における主な感染経路も,子どもから子どもへの感染がそれぞれ

65 %,62 % を占めていた.

明確な感染源が不明な小児の割合は,オミクロン流行以前は 10 % 程度に留まっていたが,

オミクロン流行後は 25 % まで増加していた.

【COVID-19 流行下における小児の予防接種】

COVID−19 流行による世界的な予防接種率の低下により,世界全体でのワクチンで予防でき

る疾患(VPD)に対する集団免疫が低下することが懸念されている.

COVID−19 流行下でも,すべての年齢において推奨される接種スケジュールを遵守するこ

とは,それぞれのワクチンの有効性および安全性を最大限確保するうえでも非常に重要である.
一方で保護者が安心して接種するためには,電話などで事前にかかりつけ医等と接種日時を調
整するなどの工夫も必要である.また,やむを得ず接種が遅れたワクチンがある場合は,なる

べく早期にキャッチアップ接種をする必要がある.地方自治体によっては定期接種時期を超え

ていても特例として,定期接種に準じた接種を認めている自治体もあるので,居住地域の保健
所に相談してもらいたい.

6 妊婦例の特徴

国内外の臨床統計から,妊婦が同年齢の女性と比較して,特に COVID-19 に罹患しやすい

ということはない.しかし,妊娠後半期に感染すると,早産率が高まり,患者本人も重症化し
やすいという事実が明らかになった.一方,妊娠初期・中期の感染で胎児に先天異常を起こす

という報告はなく,子宮内感染も稀である.妊婦本人は軽症であっても,重篤な胎盤炎から流
産や子宮内胎児死亡をきたす例があり,ワクチン未接種者に多いと考えられる.
【国内外の疫学】

日本産科婦人科学会(周産期委員会)事業 COVID-19 妊婦レジストリによれば,2022 年 5

月 5 日までに登録された感染妊婦 967 例中,軽症 708 例(73 %)
,中等症Ⅰ 128 例(13 %)

中等症 II 118 例(12 %),重症 13 例(1.3 %)であった.母体死亡の登録はなかった.特に
デルタを主体とした流行(2021 年 6 〜 11 月)において,中等症 II ・重症例が多かった.ワク

チン接種歴が明らかな感染妊婦 661 例中,86 %が未接種であった(中等症 II ・重症 81 例の
すべてが未接種).

このレジストリでは,年齢 31 歳以上,妊娠 21 週以降の感染,妊娠前 BMI 25 以上,喘息

を中心とする呼吸器疾患等の併存疾患(既往・現症の存在など)が重症化のリスク因子であった.
欧米ではこれに加えて,人種や喫煙歴,妊娠高血圧症候群,妊娠性糖尿病,血栓傾向などがリ
スク因子として報告されている.

COVIREGI-JP/REBIND においても,2020 年 1 月~ 2021 年 4 月に登録された女性(15

~ 45 歳未満)入院患者(妊婦 187 例,非妊婦 935 例)の解析から,妊婦群(18 例,9.6 %)
が非妊婦群(46 例,4.9 %)より中等症・重症患者の割合が高いことが判明した.また,感染
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