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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (28 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●3 症例定義・診断・届出

3 血清診断(抗体検査)

SARS-CoV-2 抗体検査は行政検査では実施されておらず,確定診断のための検査には指定

されていない.WHO は抗体検査について,診断を目的として単独に用いることは推奨せず,
疫学調査等で活用できることを示唆している.日本においては,COVID-19 対策の基礎データ
とすることを目的として,2020 年度より,SARS-CoV-2 に対する大規模な抗体保有状況の調
査が実施されており,厚生労働省ホームページにおいて公表されている.
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001055259.pdf

抗体検査には,スパイクタンパクに対する抗体(抗S抗体)の測定とヌクレオカプシドタン

パクに対する抗体(抗 N 抗体)の測定がある.抗 S 抗体は自然感染とワクチン接種により誘導

されるのに対し,抗N抗体は自然感染のみで誘導される.このため,既感染者の割合は抗N抗
体の有無を使って推定されている.

なお,日本国内で体外診断用医薬品として承認を得た検査試薬はなく,さまざまな検査キッ

トが研究用試薬として市場に流通している.国立医薬品食品衛生研究所による患者血清
(標準品)
を用いた一斉性能評価試験の結果によると,2020 年 10 月時点で国内に流通している抗体検
査キット(計 57 種類)は SARS-CoV-2 に対する抗体を検出できることが確認された.

4 届 出

診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出る. 2022 年 9 月 26 日以降の届出対象は以

下の 4 類型である.

届出対象(2022 年 9 月 26 日以降)
*1:診断時点で直ちに入院が必要でな
い場合であっても,基礎疾患などにより,
入院の必要が生じる可能性があると医師
が判断した場合も含まれる.

① 65 歳以上の者
②入院を要する者*1
③重症化リスクがあり,かつ,新型コロナ治療
薬の投与が必要な者*2
または
重症化リスクがあり,かつ,新型コロナ罹患に
より新たに酸素投与が必要な者
④妊婦

*2:新型コロナ治療薬の範囲は,以下
のとおりである.
1) カシリビマブ/イムデビマブ
2) ステロイド薬
3) ソトロビマブ
4) トシリズマブ
5) ニルマトレルビル/リトナビル
6) バリシチニブ
7) モルヌピラビル
8) レムデシビル

なお,見直し後も,医療機関から COVID-19 と診断した患者数,健康フォローアップセンター

から医療機関を受診せず自己検査の結果をもって登録された者の数が,HER-SYS の追加機能

を用いて報告されることにより感染者数の全数把握が継続される.これは,届出対象を限定す
ることにより,これまで把握できていた感染動向について把握が困難になり,地域の感染症対
策の連続性が絶たれることについての懸念の声があることを踏まえ,日ごとの患者の総数およ
び日ごとの患者の年代別の総数は,引き続き報告を受け,毎日公表するためである.
詳細は下記を参照すること.

厚労省事務連絡.With コロナの新たな段階への移行に向けた全数届出の見直しについて.
2022.9.12 発出,2022.9.27 最終改正.

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