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10参考資料2 令和6年度総括報告書「同種造血幹細胞移植患者に対する優先度の高い公的予防接種の再接種に関する研究」 (10 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73851.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第34回 6/19)《厚生労働省》 |
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4. 結果のまとめ/考察
<結果のまとめ>
虎の門病院で行われた研究で、同種移植を受けた
342 例(そのうち、臍帯血移植が 77%)の移植前後のウイ
ルス抗体価の推移を評価した。一方、東京大学医科学
研究所附属病院で行われた研究で、移植を行っていな
【VPD よる疾病負荷に関する科学的知見のまとめ】
い血液疾患患者 127 例と、HIV 感染症患者 563 例を対
米国での小児患者における移植後 VPD のデータベー
象にウイルス抗体価が評価した。両研究における VZV,
ス研究(2010-2018 年 9,591 人中 684 人が VPD に罹患)
麻疹, 風疹に対する抗体価中央値を比較した。
では移植後 5 年間の VPD の頻度はインフルエンザ
同種移植患者においては、水痘・帯状疱疹ウイルス、
3.89%(同種 4.12%、自家 3.38%)、水痘 1.14%(同種 1.30%、
麻疹ウイルス、風疹ウイルスの抗体価は、移植前(それぞ
自家 0.77%)、侵襲性肺炎球菌感染症 1.05%(同種 1.14%、
れ17.0/19.0/18.7)と比較して同種移植2年後には大きく
自家 0.87%)と報告され、いずれも同種移植の頻度が自
低下していた(それぞれ3.5/3.8/2.8)。一方、非移植血液
53
。オーストラリアの成人同種移植患者
疾患患者(それぞれ9.7/11.9/11.0)やHIV感染症患者
441 人を対象としたアンケート調査(2000-2012 年の移植
(それぞれ16.1/14.1/17.1)では比較的高い抗体価を認
患者)では、41.7%が VPD 罹患を報告し、インフルエンザ
めていた。同種移植後の免疫喪失が顕著であることが
様疾患(38.4%)、帯状疱疹(7.9%)、肺炎球菌感染症
本邦の大規模データにより示され、これを鑑みると、
家移植より高い
64
(5.1%)が多かった 。
予防接種を再接種する上では、非移植血液疾患患者
1990 年~2022 年に同種移植を受け、100 日以上生存
やHIV感染症患者と比べて、同種移植患者を優先する
した患者 65,848 例を対象とした国内レジストリデータ調
必要性があると考えられた。
査では、水痘・帯状疱疹 2,331 件(水痘 28 件)と肺炎球
菌感染症 213 件(侵襲性肺炎球菌感染 70 件)の頻度が
【主なVPDについて、同種移植後における予防接種の
高かった。
再接種に関する科学的知見のまとめ】
JSTCT 認定移植施設 263 診療科を対象としたワクチ
〇麻疹・風疹
ン接種に関する全国調査(222 診療科より回答、以下は
疾病負荷:同種移植後の報告症例数は少なく、他の免
それぞれの VPD を経験した施設の割合)では、各診療
疫不全者との発症頻度の比較は困難ではあるものの、
科において造血幹細胞移植後に経験した VPD につい
同種移植後に罹患した場合に重症化するとされており、
ても情報収集を行い、疾病負荷の参考情報が得られた。
国内のレジストリデータでの評価では、同種移植後に麻
同種移植後に最も高頻度に経験する VPD としては新型
疹を 6 例報告し、うち 2 例(33.3%)が死亡に至ったと報告
コロナウイルス感染症(成人 92%、小児 78%)、インフルエ
している。また、海外では麻疹肺炎による重症例や死亡
ンザ(成人 88%、小児 85%)であった。次いで、成人診療
例が複数報告されている。一度発症すると死亡に至る割
施設では帯状疱疹 84%(播種性 70%、水痘 19%)、肺炎球
合が高い疾患であり、患者の生命予後に与える影響が
菌感染症 61%(IPD36%)の頻度が高い。小児診療施設で
大きいことが懸念されている。
は帯状疱疹 79%(播種性 51%、水痘 19%)、RS ウイルス感
国内外における現状の認識:本邦の 7 割以上の移植施
染症 52%、肺炎球菌感染症 31%(IPD24%)の頻度が高か
設で同種移植後の MR ワクチン再接種が推奨されている。
った。また、百日咳及びジフテリアについては、罹患者
同種移植後の患者は、麻疹・風疹に対する免疫が低下
数は少なかったものの死亡率が高かった(百日咳 100%、
し、罹患した場合に重症化するリスクが報告されている。
ジフテリア 50%)。レジストリデータでは移植後長期フォロ
海外では移植後の麻疹による死亡例も報告されており、
ー患者の情報が過小評価になりやすく、施設の経験ベ
ワクチンの再接種による予防が重要であり、必要性があ
ースの調査ではあるが、本邦の同種移植患者において
ると国内外において認識されている。
も水痘・帯状疱疹、肺炎球菌感染症の疾病負荷が極め
有効性:本邦の報告では、成人の同種移植患者の移植
て大きいと考えられ、また、百日咳及びジフテリアも、死
2 年後の麻疹の抗体価陽性率は 60.6%であった。抗体価
亡率の高さから疾病負荷が大きいと考えられた。
が陰性であった同種移植患者 25 例に麻疹ワクチンを 1
回接種したところ、接種後の抗体価陽転は 64%であった。
【ワクチン再接種の必要性のある対象者についてのまと
同様に移植 2 年後の風疹の抗体価陽性率は 52.2%であ
め】
った。抗体価が陰性であった 25 例に風疹ワクチンを 1 回
10
<結果のまとめ>
虎の門病院で行われた研究で、同種移植を受けた
342 例(そのうち、臍帯血移植が 77%)の移植前後のウイ
ルス抗体価の推移を評価した。一方、東京大学医科学
研究所附属病院で行われた研究で、移植を行っていな
【VPD よる疾病負荷に関する科学的知見のまとめ】
い血液疾患患者 127 例と、HIV 感染症患者 563 例を対
米国での小児患者における移植後 VPD のデータベー
象にウイルス抗体価が評価した。両研究における VZV,
ス研究(2010-2018 年 9,591 人中 684 人が VPD に罹患)
麻疹, 風疹に対する抗体価中央値を比較した。
では移植後 5 年間の VPD の頻度はインフルエンザ
同種移植患者においては、水痘・帯状疱疹ウイルス、
3.89%(同種 4.12%、自家 3.38%)、水痘 1.14%(同種 1.30%、
麻疹ウイルス、風疹ウイルスの抗体価は、移植前(それぞ
自家 0.77%)、侵襲性肺炎球菌感染症 1.05%(同種 1.14%、
れ17.0/19.0/18.7)と比較して同種移植2年後には大きく
自家 0.87%)と報告され、いずれも同種移植の頻度が自
低下していた(それぞれ3.5/3.8/2.8)。一方、非移植血液
53
。オーストラリアの成人同種移植患者
疾患患者(それぞれ9.7/11.9/11.0)やHIV感染症患者
441 人を対象としたアンケート調査(2000-2012 年の移植
(それぞれ16.1/14.1/17.1)では比較的高い抗体価を認
患者)では、41.7%が VPD 罹患を報告し、インフルエンザ
めていた。同種移植後の免疫喪失が顕著であることが
様疾患(38.4%)、帯状疱疹(7.9%)、肺炎球菌感染症
本邦の大規模データにより示され、これを鑑みると、
家移植より高い
64
(5.1%)が多かった 。
予防接種を再接種する上では、非移植血液疾患患者
1990 年~2022 年に同種移植を受け、100 日以上生存
やHIV感染症患者と比べて、同種移植患者を優先する
した患者 65,848 例を対象とした国内レジストリデータ調
必要性があると考えられた。
査では、水痘・帯状疱疹 2,331 件(水痘 28 件)と肺炎球
菌感染症 213 件(侵襲性肺炎球菌感染 70 件)の頻度が
【主なVPDについて、同種移植後における予防接種の
高かった。
再接種に関する科学的知見のまとめ】
JSTCT 認定移植施設 263 診療科を対象としたワクチ
〇麻疹・風疹
ン接種に関する全国調査(222 診療科より回答、以下は
疾病負荷:同種移植後の報告症例数は少なく、他の免
それぞれの VPD を経験した施設の割合)では、各診療
疫不全者との発症頻度の比較は困難ではあるものの、
科において造血幹細胞移植後に経験した VPD につい
同種移植後に罹患した場合に重症化するとされており、
ても情報収集を行い、疾病負荷の参考情報が得られた。
国内のレジストリデータでの評価では、同種移植後に麻
同種移植後に最も高頻度に経験する VPD としては新型
疹を 6 例報告し、うち 2 例(33.3%)が死亡に至ったと報告
コロナウイルス感染症(成人 92%、小児 78%)、インフルエ
している。また、海外では麻疹肺炎による重症例や死亡
ンザ(成人 88%、小児 85%)であった。次いで、成人診療
例が複数報告されている。一度発症すると死亡に至る割
施設では帯状疱疹 84%(播種性 70%、水痘 19%)、肺炎球
合が高い疾患であり、患者の生命予後に与える影響が
菌感染症 61%(IPD36%)の頻度が高い。小児診療施設で
大きいことが懸念されている。
は帯状疱疹 79%(播種性 51%、水痘 19%)、RS ウイルス感
国内外における現状の認識:本邦の 7 割以上の移植施
染症 52%、肺炎球菌感染症 31%(IPD24%)の頻度が高か
設で同種移植後の MR ワクチン再接種が推奨されている。
った。また、百日咳及びジフテリアについては、罹患者
同種移植後の患者は、麻疹・風疹に対する免疫が低下
数は少なかったものの死亡率が高かった(百日咳 100%、
し、罹患した場合に重症化するリスクが報告されている。
ジフテリア 50%)。レジストリデータでは移植後長期フォロ
海外では移植後の麻疹による死亡例も報告されており、
ー患者の情報が過小評価になりやすく、施設の経験ベ
ワクチンの再接種による予防が重要であり、必要性があ
ースの調査ではあるが、本邦の同種移植患者において
ると国内外において認識されている。
も水痘・帯状疱疹、肺炎球菌感染症の疾病負荷が極め
有効性:本邦の報告では、成人の同種移植患者の移植
て大きいと考えられ、また、百日咳及びジフテリアも、死
2 年後の麻疹の抗体価陽性率は 60.6%であった。抗体価
亡率の高さから疾病負荷が大きいと考えられた。
が陰性であった同種移植患者 25 例に麻疹ワクチンを 1
回接種したところ、接種後の抗体価陽転は 64%であった。
【ワクチン再接種の必要性のある対象者についてのまと
同様に移植 2 年後の風疹の抗体価陽性率は 52.2%であ
め】
った。抗体価が陰性であった 25 例に風疹ワクチンを 1 回
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