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10参考資料2 令和6年度総括報告書「同種造血幹細胞移植患者に対する優先度の高い公的予防接種の再接種に関する研究」 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73851.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第34回 6/19)《厚生労働省》
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厚生労働行政推進調査事業費 (新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)
令和6年度 総括報告書
『同種造血幹細胞移植患者に対する優先度の高い公的予防接種の再接種に関する研究』
研究責任者 福田 隆浩 国立がん研究センター中央病院 造血幹細胞移植科 科長
研究要旨
本研究では、治療や疾患により一度獲得した免疫を喪失する患者に対する公的予防接種の再接種につい
て、優先すべき対象者やワクチンを明らかにすることを目的とした。優先すべき対象者の同定においては、同種
造血幹細胞移植(以下、同種移植)を受けた患者、抗がん剤治療を受けた非移植血液疾患患者、HIV 感染症
患者の 3 群を対象とし、治療や病態に関連する抗体価の推移を比較した。さらに、再接種するワクチンの優先
順位付けの検討においては、ワクチンで予防可能な疾患(VPD)の疾病負荷、ワクチンの有効性・安全性に関
する国内外の科学的知見を収集・レビューし、国内レジストリデータの解析や移植認定施設へのアンケート調
査も併せて実施した。
この結果として、再接種する優先度が高い患者については、同種移植を受けた 342 例(臍帯血移植が 77%)
において、麻疹・風疹、水痘帯状疱疹の抗体価について、移植前と比較して同種移植 2 年後にはウイルス抗体
価は大きく低下し、著明な低抗体価を認めていた。一方、非移植血液疾患患者(127 例)や HIV 感染症患者
(563 例)では比較的高い抗体価を認めていたことから、同種移植患者は治療によって特に抗体価の著明な低
下を呈するため、他の疾患や他の治療を受けた患者に優先して、予防接種の再接種を検討すべき対象である
ことが示された。
また、再接種するワクチンの優先順位付けの検討については、現在、本邦における定期接種の対象となって
いる主な VPD である「麻疹・風疹、水痘・帯状疱疹、肺炎球菌、ジフテリア・破傷風・百日咳及びインフルエンザ
菌 b 型(Hib)」のそれぞれについて、同種移植後の患者における疾病負荷及びワクチンの効果を、既に同種移
植後の予防接種再接種が一般化している海外における文献を中心にレビューし、同種移植後の再接種の有効
性・安全性を国内外のガイドラインや研究から確認した。また、国内レジストリデータを用いた解析では、同種移
植後の水痘・帯状疱疹は 2,331 件(うち水痘 28 件)、肺炎球菌感染症は 213 件(うち侵襲性肺炎球菌感染症
70 件)であり、高い疾病負荷を認めた。さらに、全国 222 施設からのアンケート回答では、成人移植施設の 84%
が帯状疱疹、61%が肺炎球菌感染症を同種移植後に経験していたこと、また、VPD の中で、Hib は同種移植患
者における疾病負荷は比較的小さかったが、麻疹・風疹やジフテリア・百日咳・破傷風は同種移植患者におけ
る発症頻度は低いものの重症例や死亡例の報告があり、特に、これらの疾患が同種移植患者へ与える影響が
大きいことが明らかになった。
また、ワクチンの再接種に関して、国内外の科学的知見において推奨されている用法・用量と、現状におけ
る本邦の薬事承認状況には大きな齟齬はなかった。
以上より、治療や疾患により一度獲得した免疫を喪失する患者に対する公的予防接種について、同種移植
患者を対象とした、麻疹・風疹、水痘・帯状疱疹、肺炎球菌、ジフテリア・破傷風・百日咳ワクチンの再接種を優
先して行うことの価値が高いと結論付けられた。

1. 研究目的

予防接種の再接種のあり方については、なお検討の必
要がある。

我が国における予防接種法に基づく定期接種は、ワク

こうした予防接種の再接種に関しては、国内外の関連

チンで予防可能な疾病(Vaccine-Preventable Disease:

学会等から診療ガイドラインが示されており、加えて、国

VPD)の発生・まん延防止及び個人における発病やその

の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会等でも議

重症化予防の観点から重要である。基本的に、我が国で

論が行われてきた。しかし、ガイドラインに基づく推奨を

は、個人が、公的な予防接種プログラム(予防接種法に

既存の制度の枠組みの中で実現するには、対象となる

基づく接種)を通じて、公衆衛生上重要なVPDに対する

疾病やワクチンの種類が多岐にわたること、患者の臨床

免疫を獲得している。しかし、治療や疾患そのものによっ

経過が多様であること、国内で利用可能なワクチンの薬

て一度獲得した免疫を失うことのある患者に対する公的

事承認や薬価収載の状況など、さまざまな要因が複雑に

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