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○コロナ・感染症対応(その2)について-3 (112 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00125.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第502回  12/3)《厚生労働省》
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中小病院における薬剤耐性菌アウトブレイク対応ガイダンス -抄- ①


令和元年に、感染症教育コンソーシアム(事務局:国立国際医療研究センター病院 AMR 臨床リファレンスセンター)において、
中小病院の薬剤耐性菌アウトブレイクに関するガイダンスが作成され、同年に周知された。
令和元年7月25日厚生労働省健康局結核感染症課、医政局地域医療計画課事務連絡

背景
薬剤耐性菌アウトブレイクへの対応能力の強化は「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン (2016-2020)」の戦略の一つである。薬剤耐性菌による院内集
団発生(アウトブレイク)を早期に探知し、適切な対応をすることにより、院内において感染者数を最小限にとどめることが期待されるとともに、アウトブレイ
ク対応にかかる経費や追加的な労力、医療体制への影響を最小にしていく必要がある。・・・それぞれの医療機関が実施する自前の院内感染対策だけでなく、地
域における薬剤耐性菌の広がりを把握し、必要に応じて拡大防止対策を講じるために、地域連携が重視されるようになってきた大きな流れを理解する必要がある。
中小病院(本ガイダンスでは概ね300 床未満を想定)の中には、人的・経営的資源が限られている等の理由により・・・、感染管理において大規模病院と比較
すると不利な条件を有している医療機関がある。このような医療機関の多くは、感染防止対策加算取得の要件を満たさず、現在構築が進んでいる感染防止対策加
算のネットワークを通した感染管理強化のための支援も受けにくいのが現実である。
このような現状に鑑み、中小病院が、施設管理者のリーダーシップのもとに薬剤耐性菌アウトブレイクに対し現実的な対応をとることができるよう、合わせて
地域の医療機関、地域の感染管理専門家(或いは必要時に相談できる感染管理専門家)、保健所や地方衛生研究所などの行政機関との連携を更に推進するための
ガイダンスを作成することとした。中小病院は、地域における役割や行っている医療やケアの内容に大きなバリエーションがあることから、これらの特性に配慮
した支援が求められる。そこで、中小病院のみならず保健所も、中小病院を支援する際に本ガイダンスを参考にすることにより、整合性のとれた支援に資するこ
とが期待される。また、前述アクションプランで薬剤耐性の情報収集・提供機能の強化が唱えられている地方衛生研究所も、本ガイダンスを参考にすることより、
より具体的な中小病院の支援が可能になると考えられる。
1.平時の備えからアウトブレイクの探知
1-1. 調整・リスク評価
1-1-1. 調整・リスク評価(平時の備え)
1) 院内の体制整備
<施設管理者が実施する項目>
. アウトブレイク時に相談できる感染管理専門家を平時から確保しておく。地域の感染管理専門家が見つからない場合は、必要に応じ保健所や地方衛生研究所の支
援を得て探しておく。地域に見つからない場合、地域の枠に縛られず、必要時に相談できる感染管理専門家を確保しておく。
. 以下に示す体制整備の具体的方法について、必要に応じ地域の感染管理専門家の助言を得ながら進める。
. 感染管理組織図を作成し、平時とアウトブレイク時における各部局の役割の概要(例:調整・リスク評価、サーベイランス・検査、感染管理、院内の情報共有、
患者への説明、メディア対応、問い合わせ窓口の設置、保健所等への連絡)とその担当者や責任者を定める。
. 感染対策担当者を任命し、可能な範囲で感染管理に関する研修を受けさせる。
. 感染対策担当者が、本ガイダンスに示されている必要な活動ができるよう、院内の主な関係部局(事務部門・医局・看護部・検査室・薬局等、院内の現状に合わ
せて)との間で必要な調整を行う。
. 感染対策担当者と相談の上、非常勤職員を含む全職員に対して感染対策に関する研修会を定期的に開催する。
. 受付業務、院内の清掃などを外部委託している場合も、担当者に必要な研修を行う。
. 感染対策担当者を中心に医療行為についての手順書・マニュアルを作成しておくことが望ましい。
. 全職員に対する情報共有の仕組み(例:電子カルテ経由、一斉メール)を整備する。
<感染対策担当者が実施する項目>
. 平時から施設管理者と対象病原体の検出状況(や対策等の情報を月に1 回程度共有し、感染管理組織図に従い、院内の関係者に対しても必要な情報共有を行う。

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