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資料2 臨床研究中核病院の承認要件に係る取扱いについて (7 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62409.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 臨床研究部会(第44回 8/27)《厚生労働省》 |
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(参考:長崎大学病院報告書)
②研究を行っていた医師・歯科医師の大幅な退職
当院の臨床研究においては、歯科部門の研究活動が非常に盛んであり、約半数を歯科が占
めている。その歯科において、後述する医療事故が発生し、それらの対応の結果、歯科医師
が大量に異動または辞職するという事態が発生した。
そのため、臨床研究実施がままならない状態となったことは、新規臨床研究が顕著に減少
した一要因であったものと考えられる。これらの状況が落ち着いてきた令和 6 年度におい
ては、新規臨床研究の回復がみられている。
③ 医療事故のための休診の影響
当院では、口腔外科において医療事故(誤抜歯)が発生したため、その原因究明と再発防
止策を講じるため、令和 4 年 12 月 6 日より同科の診療を原則停止としていた。令和 5 年 3
月までの期間、口腔外科教授交代等の様々な取り組みや体制改革を行い、口腔外科の診療再
開となったが、この期間は体制整備を最優先に取り組んだため臨床研究を実施する状況で
はなく、臨床研究実施件数の減少につながった。
④ 研究資金の問題
医師主導治験については、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により症例登録が
遅延した結果、日本医療研究開発機構(AMED)の資金を獲得して実施していた医師主導治験
である「トシリズマブ効果不十分の特発性多中心性キャッスルマン病を対象としたシロリ
ムスのプラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験」及び「トシリズマブ効果不十分
の特発性多中心性キャッスルマン病を対象としたシロリムスの継続投与試験」を完遂する
ことができなかった。これらの研究シーズは、プラセボの準備が不可能であったことから、
剤型を錠剤から顆粒剤に変更し、研究資金の獲得を目指したが AMED を含めた研究資金の獲
得はかなわず、医師主導治験要件件数を達成することができなかった。
これらの要因が重なり、臨床研究にかかる要件件数未達につながったものと考えている。
また、論文数についても、臨床研究実施件数の減少から、結果論文数の減少にも反映された
ものであると考えている。
3. 今後安定的に要件を達成できる対策について
①診療科ラウンドの実施
本院では、臨床研究数減少に対し、現状の共有、新規臨床研究アイデア発掘などを目的と
して、医科及び歯科の各診療科への訪問を令和 4 年度末から開始した。これらの訪問の結
果、潜在的にクリニカルクエスチョンを持っているが具体化が難しい現状が改めて明らか
となったため、定期的に各診療科に訪問する機会を設定することとする。また、これらの機
会は、臨床研究支援に対するニーズを確認するための場ともなるため、要望を収集する場と
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②研究を行っていた医師・歯科医師の大幅な退職
当院の臨床研究においては、歯科部門の研究活動が非常に盛んであり、約半数を歯科が占
めている。その歯科において、後述する医療事故が発生し、それらの対応の結果、歯科医師
が大量に異動または辞職するという事態が発生した。
そのため、臨床研究実施がままならない状態となったことは、新規臨床研究が顕著に減少
した一要因であったものと考えられる。これらの状況が落ち着いてきた令和 6 年度におい
ては、新規臨床研究の回復がみられている。
③ 医療事故のための休診の影響
当院では、口腔外科において医療事故(誤抜歯)が発生したため、その原因究明と再発防
止策を講じるため、令和 4 年 12 月 6 日より同科の診療を原則停止としていた。令和 5 年 3
月までの期間、口腔外科教授交代等の様々な取り組みや体制改革を行い、口腔外科の診療再
開となったが、この期間は体制整備を最優先に取り組んだため臨床研究を実施する状況で
はなく、臨床研究実施件数の減少につながった。
④ 研究資金の問題
医師主導治験については、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により症例登録が
遅延した結果、日本医療研究開発機構(AMED)の資金を獲得して実施していた医師主導治験
である「トシリズマブ効果不十分の特発性多中心性キャッスルマン病を対象としたシロリ
ムスのプラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験」及び「トシリズマブ効果不十分
の特発性多中心性キャッスルマン病を対象としたシロリムスの継続投与試験」を完遂する
ことができなかった。これらの研究シーズは、プラセボの準備が不可能であったことから、
剤型を錠剤から顆粒剤に変更し、研究資金の獲得を目指したが AMED を含めた研究資金の獲
得はかなわず、医師主導治験要件件数を達成することができなかった。
これらの要因が重なり、臨床研究にかかる要件件数未達につながったものと考えている。
また、論文数についても、臨床研究実施件数の減少から、結果論文数の減少にも反映された
ものであると考えている。
3. 今後安定的に要件を達成できる対策について
①診療科ラウンドの実施
本院では、臨床研究数減少に対し、現状の共有、新規臨床研究アイデア発掘などを目的と
して、医科及び歯科の各診療科への訪問を令和 4 年度末から開始した。これらの訪問の結
果、潜在的にクリニカルクエスチョンを持っているが具体化が難しい現状が改めて明らか
となったため、定期的に各診療科に訪問する機会を設定することとする。また、これらの機
会は、臨床研究支援に対するニーズを確認するための場ともなるため、要望を収集する場と
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