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資料2 臨床研究中核病院の承認要件に係る取扱いについて (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62409.html
出典情報 厚生科学審議会 臨床研究部会(第44回 8/27)《厚生労働省》
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(参考:長崎大学病院報告書)

2. 自ら行う臨床研究実施の要件が未達となった経緯について
① COVID-19 の影響
A.診療にかかる負担の増大
当院は令和 2 年度以降の新型コロナウイルス感染症感染拡大を受け、対応に費やす時
間が著明に増加した。特に当院は以下の様な特徴があり大きな負担がかかった。
・長崎県では高度急性期病棟の 9 割が長崎大学病院であり、重症者のほとんどを受け入
れて対応しなければならなかった。
・長崎市に停泊していたクルーズ船内で新型コロナウイルス感染症の集団発生があり対
応を要した。
・地域の中核病院として、トリアージ、宿泊施設への医療従事者の派遣、県民に対する
ワクチン接種の対応(接種者の派遣)など幅広い活動を行う必要があった。
感染症関連の研究は当院の研究の主力のひとつであったが、関係者が 24 時間体制で新
型コロナウイルス感染症対応を行わなければならなくなったことは研究の減少にも影響
した。また、その後体制を整え、病院全診療科で対応を行ったが、対応は長期にわたり、
医療従事者の疲弊は高度で、燃え尽き症候群のような状態も生じ、臨床研究の実施は非常
に困難な状況であった。
B.受診者数の減少および病院経営への影響
新型コロナ感染症拡大により通常診療の縮小がなされるとともに、臨床研究の組み入
れの中断、新規の臨床研究開始の遅れ等が生じ、臨床研究にも影響した。これらの回復ま
でには長期の時間を要した。
感染対策のための行動制限が緩和されて以降も減少していた患者の戻りが極めて緩徐
であり、入院・外来者数とも減少後低水準が続いた。病院経営にも深刻な影響を及ぼした
ため、全診療科を挙げた患者数回復及び収支改善のための外科手術件数の増加を図る活
動の結果、特に外科系診療科においては、新規で臨床研究を立案、実施することが困難と
なり、令和 2 年には 7 件まで増加していた新規臨床研究数が、令和 3 年 4 年にはほぼな
くなるほど顕著に減少する事態となった。
これらの直接的、間接的な新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により、新規臨床
研究に着手することが困難となったことが研究数減少の一因であると考えている。
新型コロナウイルス感染症に関する臨床研究については、1 のような状況下で介入研究
を増やすことは困難であったが、直接の患者診療対応がない検査部を中心として診断や
ワクチン関連等の観察研究をある程度実施した。

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