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資料2 臨床研究中核病院の承認要件に係る取扱いについて (13 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62409.html
出典情報 厚生科学審議会 臨床研究部会(第44回 8/27)《厚生労働省》
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(参考:神戸大学医学部附属病院報告書)
に該当する結果論文の発表に係るインセンティブ(別表1:インセンティブ)を増強するなど、論
文投稿にかかる促進策を強化し実施してきました。
しかしながら、2020 年 1月からの新型コロナウイルス感染症(以降、COVID-19)の拡大によ
って、まもなく当院も外来診療の制限、入院制限、一部病棟の閉鎖等をせざるを得ない状況に陥りまし
た。とりわけ2020 年 4 月の緊急事態宣言を受け、研究参加者の来院困難・来院忌避の多発や、
COVID-19 対策に伴う院内診療体制の再編等を受け、既に実施中であった臨床研究への参加候
補者に対する外来および入院診療自体がままならない状況となり、事態の長期化につれて、結果
的にいずれの研究においても研究参加者の登録進捗に重大な支障をきたす事態となりました。各
研究にあっては登録期間の延長、研究参加施設の追加募集を始め、適格症例数確保のために諸施
策が実施されましたが、研究可能な診療体制の維持困難、あるいは研究資金の使用期限等、様々
な限界から、残念ながら適格症例数確保の大幅な遅延、あるいは必要な研究参加者数を確保でき
ないまま研究終了に至らざるを得ない研究が、多数発生しました。
その結果、研究の論文化の遅延、あるいは登録数不足等の理由によると思われる論文採択の困
難(採択までの時間経過の延長や採択率自体の低下)が認められ、2023年9月からは要件該当結
果論文の新規投稿に係る英文翻訳校正料金および投稿料金補助を行うなど、施策をさらに緊急的
に追加して論文採択数の増加に向け全力を尽くしましたが、誠に遺憾ながら2023年度末の時点で
必要な論文件数の確保に至りませんでした。
なお、2023年度後半以降の当院における承認要件に該当する論文件数、すなわち「特定臨床研
究が実施されたことによって発表された学術論文のうち、査読のある学術雑誌(自機関発行雑誌
は除く。)に英文で掲載されており、かつ、米国国立医学図書館が提供する医学・生物学分野の
学術文献データベース(以降、PubMed)に掲載されている学術論文であって、原則として、主
解析論文、サブ解析論文、プロトコール論文」の推移については、(別表2:令和5年度の要件
充足状況)にお示ししますごとく、2024年1月16日にPubMedに掲載された論文がプロトコール論
文6件を含み35件、加えてプロトコール論文を除き10件が既に投稿済の状態となり、仮に後者が
すべて採択されかつPubMedに掲載されれば論文要件を充足できる状況に至りました。しかしな
がら、投稿済の論文が2023年度末までにPubMed掲載まで至ったのは結果的に2件に留まり、この
時点で不足していた8件が採択を経てPubMedに掲載されたのは2024年7月末日の時点でした。
一方、引き続く2024年度の論文要件充足状況については、2025年1月末日の時点で、既に
PubMedに掲載された論文がプロトコール論文6件を含んで45件となり、要件を充足致しました。
3. 改善のための対策

ⅰ) 実施中の特定臨床研究にかかる登録進捗状況の随時把握と周知報告

当院では、従前から既に実施中の特定臨床研究について、研究品質管理の観点も踏まえ研究
者および臨床研究推進センター(以降、センター)においても研究データの取得や確認が容易
となるよう、電子データ登録システム(EDC)の利用を推進し、本学医師が研究責任医師とな
る特定臨床研究については単施設研究・多施設研究に関わらず、EDC構築を当センターが無料
で実施して研究者の使用に供しています。また、研究参加者からの同意文書の確実な取得を担
保するべく、本学医師が研究代表医師として当院内で実施中の全ての特定臨床研究について
は、当院で同意取得された署名文書は全例電子カルテ上にスキャン登録されると同時に、文書
の写しをセンターでも全件保管しています。
本事案の発生が危惧されはじめた2023年7月より、これらの枠組みを利用して、実施中の各特
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