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参考資料4.セルフメディケーション税制による 薬剤費抑制効果の検証(西川・大橋 RIETI Discussion Paper Series 22-J-039(2022)(独)経済産業研究所) (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59938.html
出典情報 セルフケア・セルフメディケーション推進に関する有識者検討会(第4回 7/25)《厚生労働省》
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についてはゼロとした。
なお𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃、𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀については、内生性の疑いがある。薬価は薬価収載時および薬価改
定時に国が決定するが、その算定方法は基本的に市場の実勢価格を反映する。したがって、
分析者は把握できないが、医師、製薬会社等が把握している要因が誤差項に含まれ、結果
として薬価と誤差項が相関する可能性を否定できない。この点を考慮し、本稿では(2)式に
ある薬価に基づき計算した𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃、𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀を内生変数とするモデルを推定する。
𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃、𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀の操作変数については、Berry et al. (1995)
、Björnerstedt and Verboven

(2016)を参考に、競合他社によって販売されていた医薬品の上市後の経過月数の合計、
自社で販売していた医薬品の上市後の経過月数の合計を用いる。医薬品𝑗𝑗が属する市場内で

の競合品の増大や陳腐化は、降圧剤𝑗𝑗の価格である𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑒𝑒𝑗𝑗 に影響を及ぼす。他方、アレルギ

ー性鼻炎薬𝑗𝑗の競合品の上市後の経過月数については、一旦上市されると、𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑗𝑗 、𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑗𝑗 、
𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑗𝑗 の変化に応じて調整することが困難であるため、外生的に与えられると考えるの

が自然である。さらに製薬会社が降圧剤𝑗𝑗の価格を決定するに当たって、他社製品と自社製
品に対して、異なる反応をすると想定されるため、操作変数を競合他社、自社に分けた。

𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎ℎ/𝑔𝑔 はグループ内でのサブグループのシェア、𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑗𝑗,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎/ℎ𝑔𝑔 はサブグループ内にお

けるアレルギー性鼻炎薬𝑗𝑗のシェアを示す。本稿では医師のアレルギー性鼻炎薬の選択に関

して、次の構造を想定する。医師は数あるアレルギー性鼻炎薬の中から、最初に患者の病
態などに応じて、抗ヒスタミン薬(第 1 世代)
、抗ヒスタミン薬(第 2 世代)、気管支喘息
薬、処方なしの 4 つのグループの中から 1 つを選択する。そして、抗ヒスタミン薬(第 1
世代)
、抗ヒスタミン薬(第 2 世代)、気管支喘息薬を選択した医師については、さらにグ
ループ内から成分(サブグループに該当)を選択し、その中から 1 つの保険適用薬を選び、
患者に処方するとした。なお𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎ℎ/𝑔𝑔 、𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑗𝑗,𝑡𝑡,𝑎𝑎,𝑝𝑝/ℎ𝑔𝑔 は、被説明変数であるシェアに基づ

き計算されるため、これら変数も内生変数とした。

𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃はセルフメディケーション税制の効果を捉えるダミー変数であり、セルフメディ

ケーション税制が導入された 2017 年 1 月以降は 1、それ以外は 0 とする。さらにセルフメ
ディケーション税制の導入による処方への影響が、病院と開業医を多く含む診療所で異な
るかを検証するため、𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃 × 𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶を含むモデルも推定する。𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶は診療所であれば 1、

それ以外は 0 とするダミー変数のため、𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃 × 𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶は診療所における追加的なセルフメ
ディケーション税制の効果を捉える。

𝑥𝑥は各治療剤の属性を示し、上市後の経過月数、単位当たりの容量、ブランド医薬品ダ

た。これらジェネリック医薬品については、𝑡𝑡 + 1期の薬価を観測できないため、薬価差益も計算できな

い。そのため、当該薬については、以前から同様の価格が算定されてきた同成分のジェネリック医薬品と
同じ薬価が𝑡𝑡 + 1期に算定されたと仮定し、薬価差益を計算した。また計算式の関係上、ジェネリック医薬
品の一部で薬価差益が負となったが、本稿では負の値のまま推定した。ただし、これらジェネリック医薬
品の薬価差益をゼロに置き換えた推定も行ったが、推定結果の符号、統計的有意水準に大きな変化は見受
けられなかった。

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