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参考資料4.セルフメディケーション税制による 薬剤費抑制効果の検証(西川・大橋 RIETI Discussion Paper Series 22-J-039(2022)(独)経済産業研究所) (14 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59938.html |
出典情報 | セルフケア・セルフメディケーション推進に関する有識者検討会(第4回 7/25)《厚生労働省》 |
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なお(2)式の推定では、前節の患者レベルの分析で用いたデータセットから医療機関を受診
したデータを抽出し、医薬品レベルで集計し直したものを用いる 28。
ln�𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑗𝑗,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎 � − ln�𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎0,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎 � = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽1 𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑗𝑗,𝑡𝑡,𝑎𝑎 + 𝛽𝛽2 𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑗𝑗,𝑡𝑡,𝑝𝑝
+ 𝜎𝜎1 ln�𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑗𝑗,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎/ℎ𝑔𝑔 � + 𝜎𝜎2 ln�𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎ℎ/𝑔𝑔 � + 𝛾𝛾𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑡𝑡
′
𝛿𝛿 + 𝜃𝜃1 𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑡𝑡 + 𝜃𝜃2 𝐾𝐾𝐾𝐾ℎ𝑢𝑢𝑛𝑛𝑡𝑡 + 𝜃𝜃3 𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝑝𝑝
+𝑥𝑥𝑗𝑗,𝑡𝑡
+𝜃𝜃4 𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑛𝑛𝑝𝑝 + 𝜃𝜃5 𝑂𝑂𝑂𝑂𝑂𝑂𝑂𝑂70𝑎𝑎 + 𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑗𝑗 + 𝜉𝜉𝑗𝑗,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎 (2)
𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑗𝑗,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎 は𝑡𝑡期にグループ𝑝𝑝に含まれる医療機関が、グループ𝑎𝑎 に含まれる年齢層の患者
に処方した医薬品𝑗𝑗のシェア(処方量ベース)を示す。𝑝𝑝は診療所/病院×院内処方/院外処
方別に作成した 4 つのグループ、𝑎𝑎は 70 歳未満/70 以上別に作成した 2 つのグループで構
成される。𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎0,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎 はアウトサイドグッズのシェアを示す。アウトサイドグッズは、医
療機関へ受診したがアレルギー性鼻炎薬を処方されなかった患者である。セルフメディケ
ーション税制の導入により、医師が処方量を増大させるよう行動していれば、政策を通じ
てアウトサイドグッズのシェアが減少することになる。𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑗𝑗,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎 、𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎0,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎 を計算する
際の分母に用いる市場規模には、患者に提供されたアレルギー性鼻炎薬の処方量に、アウ
トサイドグッズに含まれる患者への潜在的な処方量を加えた数値を用いた。潜在的な処方
量については、分析期間を通じた患者への処方日数の中央値が 14 日だったことを踏まえ、
処方のなかった患者にも 14 日分のアレルギー性鼻炎薬が処方されたと仮定した 29。
𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃は患者の 1 日当たりの自己負担額を示し、70 歳以上は 2 割負担、70 歳未満は 3 割
負担とした 30。医師は他の条件が同じであれば、患者の負担がより小さい医薬品を処方す
ることを想定する。𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀は薬価差益を示す。薬価差益を計算するには医薬品の実勢価
格が必要となるが、このデータは公表されていない。そのため、本稿では薬価算定時に使
𝑟𝑟
− 𝑃𝑃𝑡𝑡𝑟𝑟 × 𝑅𝑅𝑡𝑡+1 を用いて、医薬品の実勢価格を計算した。同式の𝑃𝑃𝑡𝑡𝑎𝑎 は𝑡𝑡期の
用される𝑃𝑃𝑡𝑡𝑎𝑎 = 𝑃𝑃𝑡𝑡+1
𝑟𝑟
、𝑃𝑃𝑡𝑡𝑟𝑟 は、それぞれ𝑡𝑡 + 1期、𝑡𝑡期の薬価、𝑅𝑅𝑡𝑡+1 は𝑡𝑡 + 1期の R 幅(=
医薬品の実勢価格、𝑃𝑃𝑡𝑡+1
0.02)を示す 31。薬価差益は院内処方の医療機関でのみ生じるため、院外処方の医療機関
28
患者の受診行動に関する分析と同様、患者レベルの個票データを用いた多項ロジットモデルによる分析
も考えられる。しかし、本稿の分析対象であるアレルギー性鼻炎薬市場では、医師の選択肢となる保険適
用薬が数多く上市されており、かつ薬価を含む成分、容量といった製品属性を同じとするものが多数存在
するため、医師が特定の保険適用薬を選択する要因を捉えることができず、収束に至らなかった。
29
本稿では潜在的な処方量として、データセットより得た処方日数の中央値を用いたが、中央値の代わり
に平均値を用いることも考えられる。推定結果の頑健性を確認するため、潜在的な処方量として処方日数
の平均値より得た 18.6 日を用いて需要関数を推定したが、結果に大きな違いはなかった。潜在的な処方
量として平均値を用いたケースの推定結果は補論 2 に記した。
30
6 歳未満の患者についても自己負担は 2 割だが、本稿のデータセットにおいて 6 歳未満の患者への処方
は確認できなかった。
31
アレルギー性鼻炎薬市場では、分析期間の途中で販売を中止したジェネリック医薬品が複数観察され
12
したデータを抽出し、医薬品レベルで集計し直したものを用いる 28。
ln�𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑗𝑗,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎 � − ln�𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎0,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎 � = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽1 𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑗𝑗,𝑡𝑡,𝑎𝑎 + 𝛽𝛽2 𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑗𝑗,𝑡𝑡,𝑝𝑝
+ 𝜎𝜎1 ln�𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑗𝑗,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎/ℎ𝑔𝑔 � + 𝜎𝜎2 ln�𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎ℎ/𝑔𝑔 � + 𝛾𝛾𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑡𝑡
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𝛿𝛿 + 𝜃𝜃1 𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑇𝑡𝑡 + 𝜃𝜃2 𝐾𝐾𝐾𝐾ℎ𝑢𝑢𝑛𝑛𝑡𝑡 + 𝜃𝜃3 𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝑝𝑝
+𝑥𝑥𝑗𝑗,𝑡𝑡
+𝜃𝜃4 𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑛𝑛𝑝𝑝 + 𝜃𝜃5 𝑂𝑂𝑂𝑂𝑂𝑂𝑂𝑂70𝑎𝑎 + 𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑗𝑗 + 𝜉𝜉𝑗𝑗,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎 (2)
𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑗𝑗,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎 は𝑡𝑡期にグループ𝑝𝑝に含まれる医療機関が、グループ𝑎𝑎 に含まれる年齢層の患者
に処方した医薬品𝑗𝑗のシェア(処方量ベース)を示す。𝑝𝑝は診療所/病院×院内処方/院外処
方別に作成した 4 つのグループ、𝑎𝑎は 70 歳未満/70 以上別に作成した 2 つのグループで構
成される。𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎0,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎 はアウトサイドグッズのシェアを示す。アウトサイドグッズは、医
療機関へ受診したがアレルギー性鼻炎薬を処方されなかった患者である。セルフメディケ
ーション税制の導入により、医師が処方量を増大させるよう行動していれば、政策を通じ
てアウトサイドグッズのシェアが減少することになる。𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑗𝑗,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎 、𝑆𝑆ℎ𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎𝑎0,𝑡𝑡,𝑝𝑝,𝑎𝑎 を計算する
際の分母に用いる市場規模には、患者に提供されたアレルギー性鼻炎薬の処方量に、アウ
トサイドグッズに含まれる患者への潜在的な処方量を加えた数値を用いた。潜在的な処方
量については、分析期間を通じた患者への処方日数の中央値が 14 日だったことを踏まえ、
処方のなかった患者にも 14 日分のアレルギー性鼻炎薬が処方されたと仮定した 29。
𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃は患者の 1 日当たりの自己負担額を示し、70 歳以上は 2 割負担、70 歳未満は 3 割
負担とした 30。医師は他の条件が同じであれば、患者の負担がより小さい医薬品を処方す
ることを想定する。𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀は薬価差益を示す。薬価差益を計算するには医薬品の実勢価
格が必要となるが、このデータは公表されていない。そのため、本稿では薬価算定時に使
𝑟𝑟
− 𝑃𝑃𝑡𝑡𝑟𝑟 × 𝑅𝑅𝑡𝑡+1 を用いて、医薬品の実勢価格を計算した。同式の𝑃𝑃𝑡𝑡𝑎𝑎 は𝑡𝑡期の
用される𝑃𝑃𝑡𝑡𝑎𝑎 = 𝑃𝑃𝑡𝑡+1
𝑟𝑟
、𝑃𝑃𝑡𝑡𝑟𝑟 は、それぞれ𝑡𝑡 + 1期、𝑡𝑡期の薬価、𝑅𝑅𝑡𝑡+1 は𝑡𝑡 + 1期の R 幅(=
医薬品の実勢価格、𝑃𝑃𝑡𝑡+1
0.02)を示す 31。薬価差益は院内処方の医療機関でのみ生じるため、院外処方の医療機関
28
患者の受診行動に関する分析と同様、患者レベルの個票データを用いた多項ロジットモデルによる分析
も考えられる。しかし、本稿の分析対象であるアレルギー性鼻炎薬市場では、医師の選択肢となる保険適
用薬が数多く上市されており、かつ薬価を含む成分、容量といった製品属性を同じとするものが多数存在
するため、医師が特定の保険適用薬を選択する要因を捉えることができず、収束に至らなかった。
29
本稿では潜在的な処方量として、データセットより得た処方日数の中央値を用いたが、中央値の代わり
に平均値を用いることも考えられる。推定結果の頑健性を確認するため、潜在的な処方量として処方日数
の平均値より得た 18.6 日を用いて需要関数を推定したが、結果に大きな違いはなかった。潜在的な処方
量として平均値を用いたケースの推定結果は補論 2 に記した。
30
6 歳未満の患者についても自己負担は 2 割だが、本稿のデータセットにおいて 6 歳未満の患者への処方
は確認できなかった。
31
アレルギー性鼻炎薬市場では、分析期間の途中で販売を中止したジェネリック医薬品が複数観察され
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