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2025年7月10日 記者会見資料 (2 ページ)

公開元URL https://hodanren.doc-net.or.jp/wp-content/uploads/2019/09/otckisyakaiken250710.pdf
出典情報 国保険医団体連合会 日本アトピー協会 記者会見(7/10)《全国保険医団体連合会、日本アトピー協会》
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2025 年 7 月 10 日

福岡 資麿 厚生労働大臣 殿
特定非営利活動法人日本アトピー協会
代表理事

倉谷 康孝

jadpa@wing.ocn.ne.jp
06-6204-0002

「OTC 類似薬の保険適応除外」に反対します
平素は、アトピー・アレルギー疾患への医療向上、法整備等にご尽力を賜り、誠にありがとうご
ざいます。
このたび、政府方針となる骨太方針 2025 に、自民・公明・日本維新の会の 3 党合意文書
(6 月 11 日調印)により、OTC 類似薬を保険適用から除外することが含まれました。
日本アトピー協会は、慢性疾患であるアトピー性皮膚炎の患者さんのQOLや日常生活さえ成り
立たない莫大な経済的負担になるこの提言を到底受け入れることができません。
アトピー性皮膚炎は、長年に渡って増悪と寛解を繰り返す、強烈な痒みを伴う慢性疾患です。
症状を維持継続するためには、処方外用薬と処方保湿剤の継続使用が欠かせません。
公益財団法人日本皮膚科学会で作成されているアトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024(最新版)
にも、この治療法は推奨度-1 エビデンスレベル-A と最も科学的根拠が高い治療法とされています。
そして、アトピー性皮膚炎は遺伝的素因も含んだ多病因性の疾患であり、疾患そのものを確実に
完治させうる治療法はない。薬物療法を行うことが原則であると記されています。
さらに、治療の最終目標(ゴール)は、症状がないか、あっても軽微で日常生活に支障がなく、
薬物療法もあまり必要としない状態に到達し、それを維持することとされています。
症状が改善すれば処方保湿剤のみで症状を維持できるようになりますが、ようやく良くなった状
態をキープするための処方保湿剤が無ければ、症状は確実に悪化します。
また、近年の研究では、処方保湿剤単剤によりアトピー性皮膚炎を再燃させない、あるいは、発症
予防による罹患者数抑制の可能性も指摘されています。
アトピー性皮膚炎の患者さんは、24 時間 365 日、痒みを感じない時はありません。その上、寝て
いる間も無意識で掻いてしまい、翌朝、症状が悪化する日常を過ごされています。
重度の方では「気が狂うほどの痒み」と訴える方、
「今から死にます」と自らの命を絶とうと思い悩
むといった限界をご経験される方も多くおられ、過去には自らの命を絶たれた方、ご両親が一晩中
交代で、わが子の背中を擦って行く末を悲観。一家心中されたご家族もおられます。
このような患者さんの症状改善・コントロールに必要な処方薬は大きな割合を占めています。
アトピー患者さんは、基本、朝・夕の1日2回、処方保湿剤と処方外用薬を重ね塗り、抗アレル
ギー薬や入眠剤などの飲み薬を服用されている方も多くおられます。

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