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資料6_AMEDがん研究(2019年度-2022年度) (27 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32589.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第10回 4/12)《厚生労働省》
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(9)各柱にまたがる「横断的事項」について(抜粋)

①「シーズ探索」について
●PDXマウスモデルの確立が様々ながん腫で進み、新たなシーズ探索に大きく貢献するとともに、新しいゲ
ノム解析技術と組み合わせることにより、生体内におけるがんの時間的空間的変化がゲノムレベルで解析
できるなどの進展がみられた

マイナーイントロンのスプライシング異常による発癌機構と治療応用に関する研究
神戸医療産業都市推進機構先端医療研究センター 井上 大地
全イントロンのわずか0.3%は「マイナーイントロン」として重要な遺伝子のみに含まれており、通常とは異なる機序で除
去(スプライシング)される。本研究では、このゲノム上にごく少数しか存在しない「マイナーイントロン」と呼ばれる
配列が遺伝情報の伝達の際に適切にスプライシングできないことで発がんに至るという新しいメカニズムを初めて解明し
た。マイナーイントロンのスプライシング異常による発がん機構は近年とても注目されており、本研究の発展により、ス
プライシング異常が引き起こす病気の理解や新しい治療標的の開発につながることが期待される。
(次世代がん医療創生研究事業 成果報告集、https://www.amed.go.jp/content/000094403.pdf )
次世代がん事業(領域A)(R1~R2)

ごく少数の「マイナーイントロン」ががんを導くメカニズムを初めて解明
―不要な遺伝情報を除去できずがんに至る―
細胞のDNA上には2万個以上の遺伝子がコードされているが、各遺
伝子の情報は主にエキソンと呼ばれる配列にコードされており、
エキソンと隣のエキソンの間はイントロンと呼ばれる非コード領
域によって分断されている。
ゲノム上に数十万個存在するイントロンはそれらのスプライシン
グ機構の視点から、99.7%を占めるU2タイプとわずか0.3%のU12タ
イプに分類される。後者のマイナーイントロンが様々な生理機構
や発がんに関与している考えられているが、その詳細はほとんど
解明されていなかった。
本研究ではマイナーイントロンのスプライシングに不可欠な
ZRSR2遺伝子の変異をもつ患者群やマウスモデルの解析、ならび
にがんの発症や進展に不可欠な標的を新規スクリーニングにより
見つけ出し、進化的に保存され機能が解明されていなかったマイ
ナーイントロンのがんにおける役割を解き明かすに研究を行った。

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