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資料6_AMEDがん研究(2019年度-2022年度) (20 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32589.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第10回 4/12)《厚生労働省》
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(4)新たな標準治療を創るための研究
MAPKシグナル抑制が誘導するフィードバック機構の不均一性解明と制御に基づくKRAS/BRAF変
異腫瘍に対する新規治療開発
金沢大学 矢野 聖二
日本人の肺がんには、EGFRやKRAS、BRAFなどの遺伝子異常がぞれぞれ20%、5%、1%程度にみつかり、それぞれの遺伝子異
常に対する分子標的薬が効果を発揮する。しかし、一部のがん細胞が抵抗性細胞として生き残り、1年から数年後に耐性のが
んとして再発する。本研究でEGFR変異肺がんにおいて行った付随研究で、分子標的薬オシメルチニブにさらされた腫瘍細胞
の一部が抵抗し生き残るメカニズムを解明した。そのメカニズムから、オシメルチニブに短期間IGF-1R阻害薬を併用するこ
とで腫瘍を消失させ、治療を止めても再発をほぼ完全に防げることが見込まれ、将来、肺がんを根治させる治療につながる
ものと期待される。
(次世代がん医療創生研究事業 成果報告集、https://www.amed.go.jp/content/000094403.pdf )
次世代がん事業(領域E)(H28~R3)

血液がんにおける腫瘍細胞と微小環境との相互作用の分子メカニズムに基づく治療標的の照
準化
筑波大学 千葉 滋
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)および急性骨髄性白血病(AML)は高齢者に好発する造血器腫瘍(血液がん)である。
AITLは5年生存率が約30%で標準治療が確立されていない。AMLは若年発症例もありそうしたケースでは治療の進歩により半数
程度で治癒するが、高齢者に対す低侵襲治療法開発が求めらている。本研究により、AITLに見られるRHOAG17V変異の生物学
的意義を明らかにし、この変異に対しBCR-ABLチロシンキナーゼ阻害剤であるダサチニブが奏功することをin vivo 動物モデ
ルで確認した。AITLにダサチニブを投与する単施設臨床試験並びに、AITL等を対象としたダサチニブの有効性を評価する多
施設共同臨床試験を医師主導治験が開始され、新しい標準治療としての確立が期待される。
(次世代がん医療創生研究事業 成果報告集、https://www.amed.go.jp/content/000094403.pdf )
次世代がん事業(領域E)(H28~R3)

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