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資料6_AMEDがん研究(2019年度-2022年度) (22 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32589.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第10回 4/12)《厚生労働省》
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(5)ライフステージやがんの特性に着目した重点研究領域
(小児がん・高齢者のがん・希少がん・難治性がんに関する研究)

②高齢者のがんに関する研究
●細胞老化に関する研究が進み、加齢に伴う生体の変化の観点から、がんの進展に関する理解が進んだ

抗PD-1抗体不応答性がん患者に有効な併用治療薬の開発
京都大学 本庶 佑
PD-1阻害がん免疫治療は有効性の高い新しいがん治療法として世界中で注目されているが、効果を示さない患者さんも多
く存在し、治療効果を判断するためのバイオマーカーの開発やその打開策が求められている。PD-1阻害治療の効果の見ら
れない高齢マウスにおいてエフェクター前駆T細胞の誘導能が低いこと、さらに、このエフェクター前駆T細胞の誘導能の
低下は非自己細胞投与の刺激により改善し、免疫老化によるPD-1阻害治療耐性を克服できる可能性を見出した。これらの
成果は、PD-1阻害がん免疫治療の有効予測マーカーの開発につながるだけでなく、治療効果を改善するための併用治療法
の創出につながると考えられる。
免疫系の老化は、がんの発症や進展だけではなく、感染症や関節リウマチなどの加齢関連疾患の発症や病態形成に重要な
役割を果たすことが明らかになってきており、本研究から得られた免疫老化とその改善に関する知見は、新しいがん免疫
療法の開発につながるだけではなく、様々な加齢関連疾患に対する診断マーカーや治療基盤の創出につながると考えられ
る。(次世代がん医療創生研究事業 成果報告集、https://www.amed.go.jp/content/000094403.pdf )
次世代がん事業(領域C)(H28~R3)

老化細胞除去による高齢者発がん抑制療法の開発
東京大学 中西 真
発がんの最も重要なリスクファクターの1つである加齢について、がん細胞周囲の間質細胞に着目し、そのうちp16陽性老
化様細胞の細胞起源や特性の解明を通じて、加齢に伴う発がん促進の本態を明らかにするものである。これまでに、p16陽
性老化細胞可視化技術、細胞老化促進マウスモデル等を用いて、がん間質p16陽性老化様細胞を除去(セノリシス)するこ
とで、腫瘍内の線維化が顕著に改善し、腫瘍の増大が有意に抑制されるという結果を得ている。
【Cell Metab. Nov 3;32(5):814-828 (2020)】
世界初、体内に存在する老化の原因となる細胞の解析に成功(令和2年9月19日AMED 共同プレスリリース)
https://www.amed.go.jp/news/release_20200919.html 革新がん事業(領域1)(R2~R4 )
【Science. Jan 15;371(6526):265-270 (2021)】

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