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参考資料3 がん対策推進基本計画(平成30年3月) (12 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29618.html
出典情報 がん対策推進協議会(第87回 12/7)《厚生労働省》
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② 感染症対策について
(現状・課題)
発がんに寄与する因子としては、ウイルスや細菌の感染は、男性では喫煙に
次いで2番目に、女性では最も発がんに大きく寄与する因子となっている9。発
がんに大きく寄与するウイルスや細菌としては、子宮頸がんの発がんと関連す
るヒトパピローマウイルス(以下「HPV」という。)、肝がんと関連する肝
炎ウイルス、ATL(成人T細胞白血病)と関連するヒトT細胞白血病ウイル
ス1型(以下「HTLV-1」という。)、胃がんと関連するヘリコバクター・
ピロリ等がある。
子宮頸がんの発生は、その多くがHPVの感染が原因であり、子宮頸がんの
予防のためには、HPV感染への対策が必要である。子宮頸がんの年齢調整罹
患率10は、平成 14(2002)年は、人口 10 万人あたり 9.1 であったものが、平成
24(2012)年には、11.6 と増加傾向にあり、国は、これまでHPVワクチンの
定期接種化等を行うなど、子宮頸がんの予防対策を行ってきた。
肝炎ウイルスについては、国は、B型肝炎ワクチンの定期接種化(平成 28(2016)
年 10 月から実施)や、肝炎ウイルス検査体制の整備等を行ってきた。平成 23
(2011)年度の調査11によると、検査を受けたことがある者は、国民の約半数に
とどまっている。また、検査結果が陽性であっても、その後の受診につながっ
ていない者もいる。
ATLは、HTLV-1の感染が原因であり、主な感染経路は、母乳を介し
た母子感染である。国による感染予防対策が行われており、HTLV-1感染
者(キャリア)の推計値は、約 108 万人(平成 19(2007)年)から約 80 万人(平成
27(2015)年)と減少傾向にある。
胃がんについては、胃がんの年齢調整死亡率12は、人口 10 万人あたり 40.1(昭
9

「Ann Oncol. 2012; 23: 1362-9.」より引用。
「年齢調整罹患率」とは、高齢化の影響等により年齢構成が異なる集団の間で罹患率を
比較したり、同じ集団の罹患率の年次推移を見るため、集団全体の罹患率を基準となる集
団の年齢構成(基準人口)に合わせた形で算出した罹患率。
11
平成 23(2011)年度「肝炎検査受検状況実態把握事業 事業成果報告書」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002gd4j-att/2r9852000002gd60.pdf
12
「年齢調整死亡率」とは、高齢化の影響等により年齢構成が異なる集団の間で死亡率を
比較したり、同じ集団の死亡率の年次推移を見るため、集団全体の死亡率を基準となる集
団の年齢構成(基準人口)に合わせた形で算出した死亡率。
10

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