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資料3 薬学教育モデル・コア・カリキュラム 令和4年度改訂版(素案)(令和4年5月30日時点) (9 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/117/siryo/mext_00002.html
出典情報 薬学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に関する専門研究委員会(第3回 5/30)《文部科学省》
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A

各大項目の作成方針

薬剤師として求められる基本的な資質・能力
「薬剤師として求められる基本的な資質・能力」は、医学・歯学・薬学間で調整が行われ共
通化された。
「7. 薬物治療の実践的能力」については、医師または歯科医師として求められる基本的な
資質・能力に掲げられた「7. 患者ケアのための診療技術」とは異なり、薬学独自の資質・能
力とした。「6. 情報・科学技術を活かす能力」は、「5. 専門知識に基づいた問題解決能力」
と深く関わるが、現在の社会背景に鑑みて、特に項目立てされた。
各資質・能力の説明文は、医学・歯学とは異なる薬学独自の文面となっている。

B 社会と薬学
1.現状の課題を踏まえて、10、20 年後の社会における薬剤師の姿を設定し、学修目標を作成し
た。厚生労働省「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」の報告書等を基に現状の課題
を整理し、大項目 B の学修のアウトカム(変化・多様化する社会に対応する、社会にある課題
を発見し解決に向けて行動する、生涯を通じて役割を実践する)を設定した。
「B 社会と薬学」は、6年間を通じて身に付ける学修領域であるが、現状では他領域と独立
した領域と捉えられる傾向があるため、他領域との関係性を示した(各領域の学修すべてが、
社会における薬剤師としての責任ある行動につながっている)。
学修目標を踏まえ、旧版にはない「多様性の理解」、「医薬品等の安定供給」、「保健医療統
計」、「デジタル技術・ビッグデータの利活用」、「アウトカムの可視化」などの小項目を設定
した。
2.旧版の「A 基本事項」(倫理、コミュニケーション、薬害の防止など)と「B 薬学と社会」
を統合した。1の方針に則り作成した学修目標を基に旧版の「A 基本事項」の内容を検討し、
中項目を再編成した。これによって、薬剤師としての倫理観や社会性(人間性)を育む学修
の充実が図られた。
3.実践・行動する力を育成する観点から<ねらい><評価の指針>を設定した。大項目 B は、
大項目 C 以降の学修領域を学ぶ基盤であるとともに、卒業後に社会で薬剤師として適切に実
践・行動する力を養う領域でもある。入学時から、社会で実践・行動することを意識した学
修が必要であるため、<ねらい>に「対応する」「行動する」「貢献する」など、<評価の指
針>に「アクション・プランを作成する」などを設定した。

C

基礎薬学
この大項目では、他の大項目とは異なる内容構成となっている。すなわち、本項目は、「物
理」「化学」
「生物」の内容から成る大部であるため、「C-1 と C-2(物理)」
、「C-3、C-4 と C-5
(化学)」
、「C-6 と C-7(生物)を(C-6 : 生命科学)と(C-7 : 解剖・生理学)に分ける」の
4つに大きく分け、それぞれに<ねらい>と<評価の指針>が記載されている。それ以降は、
他の大項目とほぼ同様の構成である。
医療の現場で薬剤師が他職種と違う職能を発揮するためには、医薬品がヒト体内でどのよう
に作用するか、どのように代謝されるかを科学的に説明できることが必要である。基礎薬学の
内容を臨床で活きる内容に絞るべきとの意見もあるが、その内容を直接に活かすことは難しい
としても、後継科目(たとえば生理・解剖学、薬理学、薬物治療学、薬剤学等)の学修が基礎
薬学を基盤にしたものになれば求められることに応えられる。そうすれば、物理化学、無機化
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