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セルフメディケーションに係る相談対応や受診勧奨事例報告 (7 ページ)
出典
公開元URL | https://secure.nippon-pa.org/pdf/report_2025_10.pdf |
出典情報 | セルフメディケーションに係る相談対応や受診勧奨事例報告(10/6)《日本保険薬局協会》 |
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事例紹介 2.薬学的知見に基づくプロアクティブなリスク回避と適正使用の推進
お薬手帳や薬歴、丁寧な問診を通じて、服用中の医薬品との相互作用、成分重複、基礎疾患(腎機能低下、緑内障など)による禁忌といったリスクを
未然に回避した事例。これには、購入の必要がないと判断し販売しなかった介入や、誤った使用法の是正指導も含まれる。 221事例のうち代表的な事
例を紹介する。
1 【購入を勧めない介入:重複投与】 PPI服用中の患者へのガスターⓇ販売を中止し、重大疾患の発見に貢献
胃薬のタケキャブⓇ(PPI)を処方されている患者様がガスター10Ⓡ(H2ブロッカー)の購入を希望。薬理作用が重複し効果の上乗せが期待できないことを説明し、販売せず消
化器内科への受診を勧奨。結果、十二指腸の腫瘍が発見され早期治療に繋がった。
2 【購入を勧めない介入:重複投与】 処方薬で対応可能と判断
胃の不調を訴える患者様が市販の胃薬を希望されたが、薬歴を確認したところ、既に処方薬の中に同効薬が含まれていた。新たに購入する必要がないことを説明し、まずは処方
薬を正しく服用し、改善がなければかかりつけ医に相談するよう指導した。
3 【購入を勧めない介入:副作用歴】 副作用歴に基づき湿布薬の販売を中止
鎮痛効果が高いとされるロキソニンⓇSテープを希望されたが、薬歴から過去に複数の湿布薬でかぶれなどの副作用歴があることを確認。安易に販売せず、まずは整形外科へ受診
し、医師の管理下で適切な薬剤を選択してもらうよう指導した。
4 【トリプルワーミーのリスク回避】 急性腎障害のリスクを評価し受診勧奨
腎機能低下のある患者が鎮痛薬(NSAIDs)の購入を希望。薬歴から降圧薬(RAS阻害薬)と利尿薬も併用していることを確認。これら3剤の併用は急性腎障害(トリプル
ワーミー)を引き起こすリスクが非常に高いと判断し、OTC医薬品の販売はせず、緊急性の高い状態である可能性を伝え、かかりつけ医への受診を強く勧奨した。
5 【適正使用の指導】 市販薬と処方薬の痛み止めの重複服用を是正
市販の痛み止めと処方された痛み止めが重複していることが判明。過量投与による副作用リスクを説明し、どちらか一方を使用するよう指導した。
6 【適正使用の指導】 下痢止め薬の不適切な使用を回避
ウイルス感染症が疑われる下痢症状の患者が下痢止めを希望。体内のウイルスを排出するのを妨げ、回復を遅らせる可能性があるため、安易な使用を中止させ、水分補給と整腸
剤による対処を指導した。
7 【禁忌の回避】 前立腺肥大症患者への禁忌薬の販売を回避
PL配合顆粒Ⓡの購入を希望された患者から、問診で前立腺肥大症の既往があることを聞き取り。PL配合顆粒Ⓡに含まれる抗ヒスタミン成分が症状を悪化させる(尿閉)リスク
があるため、影響のない別の風邪薬を提案した。
8 【禁忌の回避】 緑内障患者の不適切な点眼薬使用を是正
緑内障治療中の患者様が、眼精疲労のために市販の点眼薬を使用していた。成分を確認したところ、禁忌である抗コリン作用のある成分が含まれていたため、直ちに中止を指示。
さらに眼科主治医に照会し、閉塞隅角緑内障であることを確認。病態連絡票を作成し、今後のリスク回避に繋げた。
9 【適正使用の指導】 自宅にある古い薬の使用を中止指導
目の不調を訴える方が、開封済みの古い目薬を使用してよいか相談。細菌汚染のリスクや品質劣化の可能性を説明し、使用中止、新しい製品の購入または眼科受診を勧めた。
10 【気づかれざるリスクの発見】 原因不明の排尿困難の原因薬剤を特定
前立腺肥大症の治療を開始した患者から、家にある風邪薬を飲んでいいか相談。その風邪薬が禁忌であると伝えたところ、実はその風邪薬を飲んだ頃から排尿困難を自覚し受診
したことが判明。患者自身も気づいていなかった原因薬剤を特定し、中止を指導した。
Nippon Pharmacy Association All Rights Reserved
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お薬手帳や薬歴、丁寧な問診を通じて、服用中の医薬品との相互作用、成分重複、基礎疾患(腎機能低下、緑内障など)による禁忌といったリスクを
未然に回避した事例。これには、購入の必要がないと判断し販売しなかった介入や、誤った使用法の是正指導も含まれる。 221事例のうち代表的な事
例を紹介する。
1 【購入を勧めない介入:重複投与】 PPI服用中の患者へのガスターⓇ販売を中止し、重大疾患の発見に貢献
胃薬のタケキャブⓇ(PPI)を処方されている患者様がガスター10Ⓡ(H2ブロッカー)の購入を希望。薬理作用が重複し効果の上乗せが期待できないことを説明し、販売せず消
化器内科への受診を勧奨。結果、十二指腸の腫瘍が発見され早期治療に繋がった。
2 【購入を勧めない介入:重複投与】 処方薬で対応可能と判断
胃の不調を訴える患者様が市販の胃薬を希望されたが、薬歴を確認したところ、既に処方薬の中に同効薬が含まれていた。新たに購入する必要がないことを説明し、まずは処方
薬を正しく服用し、改善がなければかかりつけ医に相談するよう指導した。
3 【購入を勧めない介入:副作用歴】 副作用歴に基づき湿布薬の販売を中止
鎮痛効果が高いとされるロキソニンⓇSテープを希望されたが、薬歴から過去に複数の湿布薬でかぶれなどの副作用歴があることを確認。安易に販売せず、まずは整形外科へ受診
し、医師の管理下で適切な薬剤を選択してもらうよう指導した。
4 【トリプルワーミーのリスク回避】 急性腎障害のリスクを評価し受診勧奨
腎機能低下のある患者が鎮痛薬(NSAIDs)の購入を希望。薬歴から降圧薬(RAS阻害薬)と利尿薬も併用していることを確認。これら3剤の併用は急性腎障害(トリプル
ワーミー)を引き起こすリスクが非常に高いと判断し、OTC医薬品の販売はせず、緊急性の高い状態である可能性を伝え、かかりつけ医への受診を強く勧奨した。
5 【適正使用の指導】 市販薬と処方薬の痛み止めの重複服用を是正
市販の痛み止めと処方された痛み止めが重複していることが判明。過量投与による副作用リスクを説明し、どちらか一方を使用するよう指導した。
6 【適正使用の指導】 下痢止め薬の不適切な使用を回避
ウイルス感染症が疑われる下痢症状の患者が下痢止めを希望。体内のウイルスを排出するのを妨げ、回復を遅らせる可能性があるため、安易な使用を中止させ、水分補給と整腸
剤による対処を指導した。
7 【禁忌の回避】 前立腺肥大症患者への禁忌薬の販売を回避
PL配合顆粒Ⓡの購入を希望された患者から、問診で前立腺肥大症の既往があることを聞き取り。PL配合顆粒Ⓡに含まれる抗ヒスタミン成分が症状を悪化させる(尿閉)リスク
があるため、影響のない別の風邪薬を提案した。
8 【禁忌の回避】 緑内障患者の不適切な点眼薬使用を是正
緑内障治療中の患者様が、眼精疲労のために市販の点眼薬を使用していた。成分を確認したところ、禁忌である抗コリン作用のある成分が含まれていたため、直ちに中止を指示。
さらに眼科主治医に照会し、閉塞隅角緑内障であることを確認。病態連絡票を作成し、今後のリスク回避に繋げた。
9 【適正使用の指導】 自宅にある古い薬の使用を中止指導
目の不調を訴える方が、開封済みの古い目薬を使用してよいか相談。細菌汚染のリスクや品質劣化の可能性を説明し、使用中止、新しい製品の購入または眼科受診を勧めた。
10 【気づかれざるリスクの発見】 原因不明の排尿困難の原因薬剤を特定
前立腺肥大症の治療を開始した患者から、家にある風邪薬を飲んでいいか相談。その風邪薬が禁忌であると伝えたところ、実はその風邪薬を飲んだ頃から排尿困難を自覚し受診
したことが判明。患者自身も気づいていなかった原因薬剤を特定し、中止を指導した。
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