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セルフメディケーションに係る相談対応や受診勧奨事例報告 (14 ページ)
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公開元URL | https://secure.nippon-pa.org/pdf/report_2025_10.pdf |
出典情報 | セルフメディケーションに係る相談対応や受診勧奨事例報告(10/6)《日本保険薬局協会》 |
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事例紹介 2.薬学的管理に基づくリスク発見からの受診勧奨
服用中の医薬品、薬歴、基礎疾患、検査値といった薬学的管理情報に基づき、副作用、相互作用、原疾患の悪化などのリスクを薬剤師が能動的に発
見し、受診勧奨に繋げた事例。「かかりつけ薬剤師」だからこそ可能な、継続的なモニタリングを通じた介入が特徴。119事例のうち代表的な事例を紹介
する。
1 【トリプルワーミーのリスク回避】 薬歴から急性腎障害のリスクを予見し受診勧奨
鎮痛薬(NSAIDs)の購入を希望された患者の薬歴を確認したところ、降圧薬(RAS阻害薬)と利uro薬を併用中であった。急性腎障害(トリプルワーミー)のリスクが極めて
高いと判断し、NSAIDsの販売はせず、腎機能への影響が少ないアセトアミノフェン製剤への変更を提案するとともに、医師への情報提供と定期的な腎機能検査の必要性を伝えた。
2 【薬剤副作用の疑い】 薬剤性鼻炎を疑い、耳鼻科受診を勧奨
何十年も市販の点鼻薬(ナザールⓇスプレー)を頻用している患者に対し、薬剤性の鼻閉(点鼻薬性鼻炎)の可能性を説明。原因となっている点鼻薬を中止し、根本治療の
ために耳鼻咽喉科を受診するよう粘り強く説得。結果、点鼻薬なしで生活できるようになった。
3 【薬剤副作用の疑い】 抗血栓薬服用中の内出血に気づき受診勧奨
抗血栓薬(ワーファリンⓇ)を服用中の患者が「腕に頻繁にあざができる」と相談。薬剤の作用が強く出すぎている可能性(過量投与)を考え、自己判断で服用を続けず、血液
凝固能検査(INR)の確認のため、早急にかかりつけ医を受診するよう指導した。
4 【薬剤副作用の疑い】 薬剤による間質性肺炎を疑い受診勧奨
来局時に息切れがひどく、SpO2が低下している患者に対し、服用中の薬剤の中に間質性肺炎の副作用報告があるものを確認。副作用の可能性を考慮し、呼吸器内科への緊
急受診を勧奨した。
5 【薬剤副作用の疑い】 ステロイドの副作用を疑い眼科受診を勧奨
長期間ステロイドを服用中の患者から「最近目が見えにくい」と相談。ステロイドによる眼圧上昇や白内障の可能性を考え、眼科での精密検査を受けるよう勧奨した。
6 【服薬フォローアップによる介入】 服薬フォローアップから副作用を発見し受診勧奨
新規に処方された血糖降下薬について後日電話で服薬状況を確認したところ、低血糖症状が頻繁に起こっていることが判明。直ちに医師に報告書を送り、受診勧奨を行った。
7 【服薬フォローアップによる介入】 がん化学療法中の重篤な副作用に気づき緊急受診へ
がん治療中の患者へ電話フォローを行ったところ、重度の下痢(グレード3)や悪心・嘔吐が続き、食事や水分が摂れていないことを確認。脱水など危険な状態と判断し、予定外
の緊急受診を強く推奨。結果、入院となった。
8 【併用禁忌の発見】 お薬手帳とマイナ保険証情報から併用禁忌薬を発見・介入
異なる医療機関から処方されていた薬剤(タンボコールⓇとベタニスⓇ)が併用禁忌であることを、お薬手帳とマイナンバーカードの資格確認時に得られた薬剤情報から発見。患者
に危険性を説明し、優先度の低い薬剤の服用を中止させ、処方医に情報提供書を作成し、処方変更に繋げた。
9 【原疾患の悪化】 糖尿病患者への定期的な眼科受診勧奨で合併症を早期発見
糖尿病治療中のかかりつけ患者に対し、合併症予防のために定期的な眼科受診の重要性を説明し続けたところ、受診により白内障が早期に発見され、手術に至った。
10 【治療中断のリスク】 自己判断での降圧薬中断に介入し受診勧奨
以前降圧薬を服用していた患者が、自覚症状がないため自己判断で通院・服薬を中断していることが判明。無症状でも高血圧は進行し、心血管疾患のリスクが高まることを説明
し、治療再開のために内科を受診するよう強く勧奨した。
Nippon Pharmacy Association All Rights Reserved
13
服用中の医薬品、薬歴、基礎疾患、検査値といった薬学的管理情報に基づき、副作用、相互作用、原疾患の悪化などのリスクを薬剤師が能動的に発
見し、受診勧奨に繋げた事例。「かかりつけ薬剤師」だからこそ可能な、継続的なモニタリングを通じた介入が特徴。119事例のうち代表的な事例を紹介
する。
1 【トリプルワーミーのリスク回避】 薬歴から急性腎障害のリスクを予見し受診勧奨
鎮痛薬(NSAIDs)の購入を希望された患者の薬歴を確認したところ、降圧薬(RAS阻害薬)と利uro薬を併用中であった。急性腎障害(トリプルワーミー)のリスクが極めて
高いと判断し、NSAIDsの販売はせず、腎機能への影響が少ないアセトアミノフェン製剤への変更を提案するとともに、医師への情報提供と定期的な腎機能検査の必要性を伝えた。
2 【薬剤副作用の疑い】 薬剤性鼻炎を疑い、耳鼻科受診を勧奨
何十年も市販の点鼻薬(ナザールⓇスプレー)を頻用している患者に対し、薬剤性の鼻閉(点鼻薬性鼻炎)の可能性を説明。原因となっている点鼻薬を中止し、根本治療の
ために耳鼻咽喉科を受診するよう粘り強く説得。結果、点鼻薬なしで生活できるようになった。
3 【薬剤副作用の疑い】 抗血栓薬服用中の内出血に気づき受診勧奨
抗血栓薬(ワーファリンⓇ)を服用中の患者が「腕に頻繁にあざができる」と相談。薬剤の作用が強く出すぎている可能性(過量投与)を考え、自己判断で服用を続けず、血液
凝固能検査(INR)の確認のため、早急にかかりつけ医を受診するよう指導した。
4 【薬剤副作用の疑い】 薬剤による間質性肺炎を疑い受診勧奨
来局時に息切れがひどく、SpO2が低下している患者に対し、服用中の薬剤の中に間質性肺炎の副作用報告があるものを確認。副作用の可能性を考慮し、呼吸器内科への緊
急受診を勧奨した。
5 【薬剤副作用の疑い】 ステロイドの副作用を疑い眼科受診を勧奨
長期間ステロイドを服用中の患者から「最近目が見えにくい」と相談。ステロイドによる眼圧上昇や白内障の可能性を考え、眼科での精密検査を受けるよう勧奨した。
6 【服薬フォローアップによる介入】 服薬フォローアップから副作用を発見し受診勧奨
新規に処方された血糖降下薬について後日電話で服薬状況を確認したところ、低血糖症状が頻繁に起こっていることが判明。直ちに医師に報告書を送り、受診勧奨を行った。
7 【服薬フォローアップによる介入】 がん化学療法中の重篤な副作用に気づき緊急受診へ
がん治療中の患者へ電話フォローを行ったところ、重度の下痢(グレード3)や悪心・嘔吐が続き、食事や水分が摂れていないことを確認。脱水など危険な状態と判断し、予定外
の緊急受診を強く推奨。結果、入院となった。
8 【併用禁忌の発見】 お薬手帳とマイナ保険証情報から併用禁忌薬を発見・介入
異なる医療機関から処方されていた薬剤(タンボコールⓇとベタニスⓇ)が併用禁忌であることを、お薬手帳とマイナンバーカードの資格確認時に得られた薬剤情報から発見。患者
に危険性を説明し、優先度の低い薬剤の服用を中止させ、処方医に情報提供書を作成し、処方変更に繋げた。
9 【原疾患の悪化】 糖尿病患者への定期的な眼科受診勧奨で合併症を早期発見
糖尿病治療中のかかりつけ患者に対し、合併症予防のために定期的な眼科受診の重要性を説明し続けたところ、受診により白内障が早期に発見され、手術に至った。
10 【治療中断のリスク】 自己判断での降圧薬中断に介入し受診勧奨
以前降圧薬を服用していた患者が、自覚症状がないため自己判断で通院・服薬を中断していることが判明。無症状でも高血圧は進行し、心血管疾患のリスクが高まることを説明
し、治療再開のために内科を受診するよう強く勧奨した。
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