よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料2 2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関するとりまとめ(案) (9 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59971.html
出典情報 がん診療提供体制のあり方に関する検討会(第19回 7/25)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

供することが求められる医療機関として位置づけられている拠点病院等におい
て、がんゲノム医療が提供できるよう、関連学会等と連携し、その運用面の改
善を図りながら、質の高いがんゲノム医療の提供体制を構築していくことが重
要である。現在のがんゲノム医療中核拠点病院等の施設数の推移を鑑みると、
2025 年6月現在の 282 施設から、拠点病院等を網羅する約 460 施設に拡大する
まで、2037 年頃までかかることが見込まれる。
3)がん医療の需給バランスを維持するための方策について


三大療法別の方策

(ⅰ) 手術療法
手術療法に関しては、構成比率の高い 60 歳以上の消化器外科医が、今後臨床
現場を離れることが見込まれる中、需要に見合う消化器外科医数を維持するた
めには、日本消化器外科学会の試算に基づくと、集約化やタスクシフトが進ま
ない前提であれば、少なくとも毎年 900 人の新たな成り手の確保が必要であ
り、現状の 500 人から追加で 400 人の確保が必要となる7。消化器外科医の新
たな成り手が増加しない原因としては、長時間労働等によりワーク・ライフ・
バランスの確保が難しいこと、給与が勤務量に見合っていないこと等が挙げら
れている8。関連学会や医療機関等では、複数主治医制による業務分担の推進
や、個人へのインセンティブ導入といった取組等を実施しているところである
9

。また、次章「3.高度な医療技術を伴うがん医療について」にて詳述する

が、高度な医療技術の質を確保するために、限られた医療資源を集約化するこ
とが、需給バランスを維持する方策にもつながると考えられる。2040 年に向
けた手術療法の需要の見込みは、地域ごとに異なるため、都道府県は、都道府
県がん診療連携拠点病院をはじめとした拠点病院等と連携し、地域における手
術件数や外科医の配置状況を正確に把握し、住民のアクセスも考慮しながら、
二次医療圏の枠組みを超えて、効率的に手術療法を提供するために集約化を含
めた、がん医療提供体制の検討を推進することが必要である。
(ⅱ) 放射線療法
放射線療法に関しては、2040 年に向けて需要の増加が見込まれる中、都道府県
は地域ごとの需要を予測しながら、効率的な放射線療法の提供体制を構築する

7

日本消化器外科学会に所属する医師で定年に達する数は毎年 440~500 人、中途退会予測医師数は過去値から毎年 450
人と推計されるため、今後は毎年 900 人の医師が減少する。医師数を維持するには 900 人の新規入会者数が必要とな
り、近年の平均入会者数は 500 人程度であるため、これに加え、毎年新たに 400 人の新規入会者が必要となる。
8
令和5年度厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究 日本専門医機構における医師専門
研修シーリングによる医師偏在対策の効果検証総括研究報告書「表 17 希望していた基本領域を選択しなかった理由」
9
第7回医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会 日本消化器外科学会提出資料「働き方改革とインセ
ンティブ導入による消化器外科医の増加」

9