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資料2 2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関するとりまとめ(案) (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59971.html
出典情報 がん診療提供体制のあり方に関する検討会(第19回 7/25)《厚生労働省》
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薬物療法は、薬物療法専門医のほか、薬物療法専門医ではない消化器外科や泌
尿器科、婦人科、耳鼻咽喉科頭頸部外科領域の専門医が中心となって提供され
ている現状がある。しかしながら、消化器外科医等の薬物療法の提供者が減少
している診療領域もあることに鑑みると、現状の薬物療法の提供体制を今後も
維持するためには、薬物療法を提供できる医師の確保が重要となる。また、過
疎地域では薬物療法の需要が減少する地域もあるが、手術療法等とは異なり、
がん患者が定期的に継続して治療を受ける必要があることから、がん患者のア
クセスを踏まえると、拠点病院等以外でも一定の薬物療法が提供できるように
遠隔医療を組み合わせるなどしながら、均てん化に取り組むことが望ましい。
このため、都道府県は、薬物療法を提供する拠点病院等以外の医療機関と拠点
病院等が連携できる提供体制の構築を進める必要がある。
がんの標準治療を実施することが求められる医療機関として位置づけられてい
る拠点病院等において、がんゲノム医療が実施できるよう、関連学会等と連携
し、その運用面の改善を図りながら、質の高いがんゲノム医療の提供体制を構
築していくことが重要である。


集学的治療

三大療法別の需給バランスを維持するための方策としては上述の通りであるが、医
療の質を確保する観点から、都道府県は三大療法別の需給バランスを総合的に把握
した上で、集学的治療が必要ながん患者に対して当該治療を提供できるよう、がん
医療提供体制を構築することが重要である。
3.高度な医療技術を伴うがん医療について
我が国ではこれまで、拠点病院等を中心として、がん医療の質の向上や均てん化に向
けた、がん医療提供体制の構築を進めてきた。その中で、がん患者に対する治療実績
の蓄積により、三大療法について、以下の報告が述べられている。
1) 手術療法
手術療法に関しては、外科系学会が合同で設立した手術症例データベース
(National Clinical Database: NCD)の解析によると、高度な手術に関しては、手
術件数の少ない医療機関で手術を提供する場合と比較して、手術件数の多い医療機
関で手術を提供する場合は術後合併症や術後死亡の発生率が低いと、日本癌治療学
会より報告されている13。この要因としては、手術件数の多い病院で勤務する外科医
は、高度な技能を有する医師の下で診療に従事し、豊富な経験を積むことができる

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第 17 回がん診療提供体制のあり方に関する検討会 日本癌治療学会提出資料「本邦での消化器がん(消化管)にお
ける集約化の対象となりうる手術術式」「婦人科の手術に関する集約化と均てん化」

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