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【資料1】次世代医療機器評価指標について (12 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58452.html |
出典情報 | 薬事審議会 医療機器・体外診断薬部会(令和7年度第2回 6/2)《厚生労働省》 |
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(2)患者背景の評価
創傷治癒の成績には、下肢の血管病変、創傷の症度に加えて患者背景が大きく影響する。また、血
行再建術の成否にかかわらず予後が不良である患者群、治療に協力的でない患者も治験の対象とし
て相応しくない。このため、症例選択において以下の患者背景が考慮されるべきである。
1) 透析例の成績は非透析例に比し不良であるが、国内においては、血行再建術施行例の約半数
が透析例であることを鑑みると透析例を除外することは適当ではない。また、透析の質によ
って透析例の予後が異なることがわかっており、透析の種類、実施頻度、日常生活動作(ADL:
activities of daily living)などにより評価し、症例を選択する。
2) 治療前に歩行困難な症例では、治療後も歩行が困難である場合が多いことが報告されている。
そのため、患者の ADL を評価した上で治験に組み入れるか検討する。
3) 以下のような患者は治験の対象として相応しくない。
•
低栄養が示唆される患者:栄養状態は創傷の治癒に影響し、アルブミン値が参考になる。
また、低 BMI(18 未満)は長期間の低栄養が示唆され、予後不良を示唆する指標であり
治験対象に適さない。
•
管理されていない心不全など全身の循環不全が確認される患者:治癒の遅延につながる
ため治験対象に適さない。
•
高用量のステロイド内服例を有する患者:創傷治癒の遷延化および易感染性に関係する
ため治験対象に適さない。
•
主たる病態が血管炎など動脈硬化症以外の患者:治療用医療機器の有効性評価に適さな
い。
4) 治療中断歴がある症例やアドヒアランスが不良な患者は治験の対象として相応しくない。
(3)対象血管の決定
CLTI は多血管領域、多発病変を特徴とするため責任病変をいかに同定するかが重要である。とく
に、膝下の血管病変に対する介入試験では、治療血管と創傷との関係が明白と考えられる症例の選択
が理想である。
1) 血管病変の解剖学的複雑性は GLASS 分類(global anatomic staging system)で評価するこ
とが推奨される。加えて、angiosome の direct、indirect(側副血行路の有無)は参考となる。
2) 足関節以遠の血管は IM GLASS 分類を用い、pedal arch の血管病変、その末梢の血管病変を
評価する。Pedal arch 形成がなく、その末梢に血管がない症例(病変分類 P2、いわゆる nooption 症例)は創傷の治癒が極めて不良である 1, 2)。臨床試験の対象決定においては、血管内
治療に関する以下の事項についても考慮する必要がある。
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(2)患者背景の評価
創傷治癒の成績には、下肢の血管病変、創傷の症度に加えて患者背景が大きく影響する。また、血
行再建術の成否にかかわらず予後が不良である患者群、治療に協力的でない患者も治験の対象とし
て相応しくない。このため、症例選択において以下の患者背景が考慮されるべきである。
1) 透析例の成績は非透析例に比し不良であるが、国内においては、血行再建術施行例の約半数
が透析例であることを鑑みると透析例を除外することは適当ではない。また、透析の質によ
って透析例の予後が異なることがわかっており、透析の種類、実施頻度、日常生活動作(ADL:
activities of daily living)などにより評価し、症例を選択する。
2) 治療前に歩行困難な症例では、治療後も歩行が困難である場合が多いことが報告されている。
そのため、患者の ADL を評価した上で治験に組み入れるか検討する。
3) 以下のような患者は治験の対象として相応しくない。
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低栄養が示唆される患者:栄養状態は創傷の治癒に影響し、アルブミン値が参考になる。
また、低 BMI(18 未満)は長期間の低栄養が示唆され、予後不良を示唆する指標であり
治験対象に適さない。
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管理されていない心不全など全身の循環不全が確認される患者:治癒の遅延につながる
ため治験対象に適さない。
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高用量のステロイド内服例を有する患者:創傷治癒の遷延化および易感染性に関係する
ため治験対象に適さない。
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主たる病態が血管炎など動脈硬化症以外の患者:治療用医療機器の有効性評価に適さな
い。
4) 治療中断歴がある症例やアドヒアランスが不良な患者は治験の対象として相応しくない。
(3)対象血管の決定
CLTI は多血管領域、多発病変を特徴とするため責任病変をいかに同定するかが重要である。とく
に、膝下の血管病変に対する介入試験では、治療血管と創傷との関係が明白と考えられる症例の選択
が理想である。
1) 血管病変の解剖学的複雑性は GLASS 分類(global anatomic staging system)で評価するこ
とが推奨される。加えて、angiosome の direct、indirect(側副血行路の有無)は参考となる。
2) 足関節以遠の血管は IM GLASS 分類を用い、pedal arch の血管病変、その末梢の血管病変を
評価する。Pedal arch 形成がなく、その末梢に血管がない症例(病変分類 P2、いわゆる nooption 症例)は創傷の治癒が極めて不良である 1, 2)。臨床試験の対象決定においては、血管内
治療に関する以下の事項についても考慮する必要がある。
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