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総-1 医薬品の費用対効果評価案について[551KB] (9 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57671.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 総会(第608回 5/14)《厚生労働省》 |
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41.62]、
-48.76%[-120.95,23.44]であった。エボロクマブ群の試験は RUTHERFORD-2 試験のみであり、
プラセボと比較した LDL-C 変化量の群間差[95%CI]は-59.2%[-65.1,-53.4]であった。いずれも点推
定値はインクリシランに比べ、エボロクマブの方が LDL-C を減少させる傾向であったが、前述した
試験間の異質性から、2 剤の優劣について明確に判断することは困難であると考えられる。しかしな
がら公的分析は、少なくとも上記結果はインクリシランがエボロクマブよりも LDL-C を有意に減少
させることを示すものとは考えられないことから、インクリシランのエボロクマブに対する追加的
有用性は示されていないと判断した。
したがって、公的分析では分析対象集団(c)(d)について費用最小化分析を行った。
(インクリシランの LDL-C に関する有効性 (分析対象集団(a))
製造販売業者の分析対象集団(a)についての分析モデルでは、インクリシランの LDL-C 変化量につ
いての有効性が、製造販売業者の追加的有用性評価と同様に ORION-15 のサブグループ結果のみに基
づいて設定されていた。上記の分析対象集団(b)と同様の理由から、公的分析はインクリシランの有
効性パラメータを ORION-15 試験のサブグループ解析結果のみに基づいて設定することは適切ではな
いと考えた。
したがって、公的分析では、インクリシランの臨床試験として ORION-15 試験のほかに 4 試験を含
めたプラセボ比較のメタアナリシスを行い、その結果に基づいて費用効果分析における LDL-C 変化
量のパラメータを設定した。
(心血管(CV)イベント発生後の長期費用(分析対象集団(a))
製造販売業者のモデルでは、CV イベントが発生した場合、急性期より後の費用については、脳卒
中で 2,987,847 円/年、心筋梗塞で 900,432 円/年が発生すると設定された。これらの費用について、
過去の費用対効果評価における評価品目における設定値よりも非常に大きかった。これらの費用推
計の方法等について、参考文献からは詳細な評価が困難であった。したがって、公的分析では NDB を
用いたパネルデータ分析を行い、その結果に基づいて CV イベント後の長期費用の設定を行った。
製造販売業者から提示された論点は以下の通りである。
(追加的有用性評価について)
脂質領域において治療中断・治療アドヒアランスが特に重要であるという臨床的コンセンサスが
存在することが、国内臨床ガイドライン及び先行文献等から明らかである。生涯におけるイベント発
症リスク低減は服薬アドヒアランスに強く依存するというエビデンスから、脂質低下剤等のすべて
の長期薬物療法では、服薬アドヒアランス不良が重大な懸念となり、高いアドヒアランスの治療法が
求められている。
日本動脈硬化学会(JAS)ガイドラインにはアドヒアランスについて、
「スタチンの良好な服薬アド
ヒアランスは、血清脂質の改善や動脈硬化性疾患発症の減少と関連している」の記載があり、治療中
断・治療アドヒアランスについて、追加的有用性の評価に含めるべきである。
(LDL-C 評価のエビデンスについて)
分析ガイドラインにおいては日本人データの優先と記載している点で、公的分析の主張は矛盾し
ており、なぜ本品においては日本人データ以外のデータを重視したのかが不明瞭である。
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-48.76%[-120.95,23.44]であった。エボロクマブ群の試験は RUTHERFORD-2 試験のみであり、
プラセボと比較した LDL-C 変化量の群間差[95%CI]は-59.2%[-65.1,-53.4]であった。いずれも点推
定値はインクリシランに比べ、エボロクマブの方が LDL-C を減少させる傾向であったが、前述した
試験間の異質性から、2 剤の優劣について明確に判断することは困難であると考えられる。しかしな
がら公的分析は、少なくとも上記結果はインクリシランがエボロクマブよりも LDL-C を有意に減少
させることを示すものとは考えられないことから、インクリシランのエボロクマブに対する追加的
有用性は示されていないと判断した。
したがって、公的分析では分析対象集団(c)(d)について費用最小化分析を行った。
(インクリシランの LDL-C に関する有効性 (分析対象集団(a))
製造販売業者の分析対象集団(a)についての分析モデルでは、インクリシランの LDL-C 変化量につ
いての有効性が、製造販売業者の追加的有用性評価と同様に ORION-15 のサブグループ結果のみに基
づいて設定されていた。上記の分析対象集団(b)と同様の理由から、公的分析はインクリシランの有
効性パラメータを ORION-15 試験のサブグループ解析結果のみに基づいて設定することは適切ではな
いと考えた。
したがって、公的分析では、インクリシランの臨床試験として ORION-15 試験のほかに 4 試験を含
めたプラセボ比較のメタアナリシスを行い、その結果に基づいて費用効果分析における LDL-C 変化
量のパラメータを設定した。
(心血管(CV)イベント発生後の長期費用(分析対象集団(a))
製造販売業者のモデルでは、CV イベントが発生した場合、急性期より後の費用については、脳卒
中で 2,987,847 円/年、心筋梗塞で 900,432 円/年が発生すると設定された。これらの費用について、
過去の費用対効果評価における評価品目における設定値よりも非常に大きかった。これらの費用推
計の方法等について、参考文献からは詳細な評価が困難であった。したがって、公的分析では NDB を
用いたパネルデータ分析を行い、その結果に基づいて CV イベント後の長期費用の設定を行った。
製造販売業者から提示された論点は以下の通りである。
(追加的有用性評価について)
脂質領域において治療中断・治療アドヒアランスが特に重要であるという臨床的コンセンサスが
存在することが、国内臨床ガイドライン及び先行文献等から明らかである。生涯におけるイベント発
症リスク低減は服薬アドヒアランスに強く依存するというエビデンスから、脂質低下剤等のすべて
の長期薬物療法では、服薬アドヒアランス不良が重大な懸念となり、高いアドヒアランスの治療法が
求められている。
日本動脈硬化学会(JAS)ガイドラインにはアドヒアランスについて、
「スタチンの良好な服薬アド
ヒアランスは、血清脂質の改善や動脈硬化性疾患発症の減少と関連している」の記載があり、治療中
断・治療アドヒアランスについて、追加的有用性の評価に含めるべきである。
(LDL-C 評価のエビデンスについて)
分析ガイドラインにおいては日本人データの優先と記載している点で、公的分析の主張は矛盾し
ており、なぜ本品においては日本人データ以外のデータを重視したのかが不明瞭である。
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