よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


総-1 医薬品の費用対効果評価案について[551KB] (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57671.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第608回 5/14)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

(追加的有用性の評価について)
分析対象集団(b)
製造販売業者の分析対象集団(b)における追加的有用性評価では、アウトカムとして LDL コレステ
ロール(LDL-C)変化量および治療中断・治療アドヒアランスが用いられた。しかし、分析ガイドライ
ン上で「アウトカム(O)指標は、臨床的な有効性・安全性・健康関連 QOL の観点のうち、評価対象技
術の特性を評価する上で、適切なもの(真のアウトカム指標など)を用いる」とされている。よって、
公的分析においては LDL-C 変化量をアウトカムとして評価を行った。
製造販売業者は、LDL-C 変化量の評価について、日本人集団を対象とした臨床試験であることや患
者集団における FH の取り扱い(対象集団が非 FH である場合、FH の集団を含まない試験のみを用い
る)を勘案して臨床試験を選択している。その結果、製造販売業者は各集団におけるインクリシラン
のエビデンスとして、日本人を対象とした臨床試験である ORION-15 試験のサブグループ解析結果の
みを用いた。しかしながら、ORION-15 以外の臨床試験の患者集団における FH の割合が約 1-10%程度
であることを考慮すると、FH 患者をわずかにでも含むことを理由に、他の海外試験をすべて除外す
るのは課題がある。なお、審査報告書によれば、インクリシランの有効性には民族差は確認されてい
ないとされている。したがって、公的分析ではインクリシランの臨床試験として ORION-15 試験のほ
かに4試験を含めた。
公的分析ではインクリシランおよびエボロクマブに関する試験について、それぞれプラセボとの
比較によるメタ解析を実施した。その結果、インクリシランとプラセボの比較では、LDL-C 変化率に
おける固定効果モデルおよび変量効果モデルの群間差[95%CrI]は、それぞれ-53.11%[-54.62, 51.59]、および-56.01%[-64.61, -47.41]であった。エボロクマブとプラセボの比較では、固定効果
モデルおよび変量効果モデルにおける群間差[95%CrI]は、それぞれ-62.05%[ 77 62.91, -61.18]、68.53%[-71.71, -65.34]であった。インクリシランよりもエボロクマブの方がプラセボと比較した
LDL-C 変化量が大きい結果が得られたものの、インクリシランとエボロクマブの試験間の異質性が非
常に大きいことから、2剤の有効性の優劣について明確に解釈することは困難であると考えられる
が、少なくともインクリシランがエボロクマブよりも LDL-C を有意に減少させることを示す結果で
あるとは考えられないことから、公的分析はインクリシランのエボロクマブに対する追加的有用性
は示されていないと判断した。
したがって、公的分析では分析対象集団(b)について費用最小化分析を行った。
分析対象集団(c)(d)
製造販売業者の分析対象集団(c)(d)における追加的有用性の評価では、
アウトカムとして LDL-C 変
化量および治療中断・治療アドヒアランスが用いられた。前記分析対象集団(b)における検討と同様
の理由より、公的分析では集団(c)(d)についても LDL-C 変化量を追加的有用性評価のアウトカムと
して用いた。また、製造販売業者と同様に、システマティックレビューにより特定されたすべての試
験において、FH 集団の動脈硬化性疾患イベントの既往有無によるサブグループ解析結果が報告され
ていないため、分析対象集団(c)(d)を統合して評価した。
分析対象集団(b)と同様に、これらの試験間の異質性が大きく、間接比較の結果の不確実性が大きい
ことが予想されるため、間接比較は実施せずインクリシランに関する試験について、それぞれプラセ
ボとの比較によるメタ解析を実施した。その結果、固定効果モデル及び変量効果モデルにおける、イ
ンクリシランのプラセボと比較した LDL-C 変化量の群間差[95%CrI]はそれぞれ-45.59%[-49.55,-

8