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総-1 医薬品の費用対効果評価案について[551KB] (4 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57671.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 総会(第608回 5/14)《厚生労働省》 |
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清リン濃度の低下度から評価したが、優越性が明らかでないため追加的有用性は示されていないと
判断した。仮に服薬負担を考慮する場合でも、スクロオキシ水酸化鉄に対する優越性を示すデータソ
ースは特定されなかった。分析対象集団(a)の基本分析として費用最小化分析を実施し、費用効果分
析による感度分析として、服薬負担に由来する QOL 値の差を変動させた場合の結果の変動を評価し
た。
(患者割合について)
製造販売業者は、各分析対象集団の割合を我が国の疫学データに基づき推計しているが、分析対象
集団(a)に未治療例が考慮されていない。公的分析では、製造販売業者が推計に用いているデータを
利用し、分析対象集団(a)の患者数に血清リン濃度が管理目標上限でかつリン吸着薬未使用例の患者
数を加えて患者割合を推計し直した。
製造販売業者から提示された論点は以下の通りである。
(追加的有用性に服薬負荷の妥当性について)
透析患者における服薬負荷は重大な医療課題であり、健康状態との関連が示されている。服薬は飲
水を伴うことから、服薬量の増大は水分制限を困難とし、透析間体重の管理不良に繋がる可能性があ
り、透析間体重の変化は透析患者の予後と関連する。透析患者における服薬負荷は、重要な臨床的ア
ウトカムであり、追加的有用性の指標として妥当と考える。
(テナパノルの錠剤サイズについて)
クエン酸第二鉄は、スクロオキシ水酸化鉄に比べて使用割合が大きく、臨床的に幅広く用いられ
ている。スクロオキシ水酸化鉄は顆粒剤やチュアブル錠が存在し、250mg 錠、500mg 錠のサイズ
は、テナパノルとは異なる特性であり、体積量の観点でテナパノルの飲みやすさも期待されてい
る。
(QOL 値の評価について)
公的分析は、製造販売業者が提示したビニエット法を精査し、1 名の回答者が服薬錠数の異なる複
数のシナリオに回答を行っており、参照点バイアスが生じている可能性を指摘した。しかし、製造販
売業者が実施した QOL 値調査では、参照点との差異に関するバイアス対処のため、被験者毎に、錠数
をランダムに変更して質問を行っている。EQ-5D や DCE 等を含むいずれの QOL 値の測定尺度において
も、様々な課題や限界があり、被験者の主観による影響や結果の標準化の限界等が存在しており、参
照点についても共通の課題であると認識しており、企業の提示したデータは妥当と考える。
以上を踏まえ、専門組織で議論し、分析対象集団(a)における比較対照技術、服薬負担をアウトカ
ムと考慮すること及び患者割合について、下記のとおり、公的分析結果が妥当であると考えられた。
スクロオキシ水酸化鉄の方が、クエン酸第二鉄より、1日当たりの服薬錠数や剤形の観点から
比較対照技術として適切であると考えられる。
服薬負担はプロセス指標の側面が強く、ビニエットによる QOL 値をデータソースとして、服薬
負担を QOL 値の差として設定することは、妥当ではない。
公的分析による患者割合の設定は妥当である。
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判断した。仮に服薬負担を考慮する場合でも、スクロオキシ水酸化鉄に対する優越性を示すデータソ
ースは特定されなかった。分析対象集団(a)の基本分析として費用最小化分析を実施し、費用効果分
析による感度分析として、服薬負担に由来する QOL 値の差を変動させた場合の結果の変動を評価し
た。
(患者割合について)
製造販売業者は、各分析対象集団の割合を我が国の疫学データに基づき推計しているが、分析対象
集団(a)に未治療例が考慮されていない。公的分析では、製造販売業者が推計に用いているデータを
利用し、分析対象集団(a)の患者数に血清リン濃度が管理目標上限でかつリン吸着薬未使用例の患者
数を加えて患者割合を推計し直した。
製造販売業者から提示された論点は以下の通りである。
(追加的有用性に服薬負荷の妥当性について)
透析患者における服薬負荷は重大な医療課題であり、健康状態との関連が示されている。服薬は飲
水を伴うことから、服薬量の増大は水分制限を困難とし、透析間体重の管理不良に繋がる可能性があ
り、透析間体重の変化は透析患者の予後と関連する。透析患者における服薬負荷は、重要な臨床的ア
ウトカムであり、追加的有用性の指標として妥当と考える。
(テナパノルの錠剤サイズについて)
クエン酸第二鉄は、スクロオキシ水酸化鉄に比べて使用割合が大きく、臨床的に幅広く用いられ
ている。スクロオキシ水酸化鉄は顆粒剤やチュアブル錠が存在し、250mg 錠、500mg 錠のサイズ
は、テナパノルとは異なる特性であり、体積量の観点でテナパノルの飲みやすさも期待されてい
る。
(QOL 値の評価について)
公的分析は、製造販売業者が提示したビニエット法を精査し、1 名の回答者が服薬錠数の異なる複
数のシナリオに回答を行っており、参照点バイアスが生じている可能性を指摘した。しかし、製造販
売業者が実施した QOL 値調査では、参照点との差異に関するバイアス対処のため、被験者毎に、錠数
をランダムに変更して質問を行っている。EQ-5D や DCE 等を含むいずれの QOL 値の測定尺度において
も、様々な課題や限界があり、被験者の主観による影響や結果の標準化の限界等が存在しており、参
照点についても共通の課題であると認識しており、企業の提示したデータは妥当と考える。
以上を踏まえ、専門組織で議論し、分析対象集団(a)における比較対照技術、服薬負担をアウトカ
ムと考慮すること及び患者割合について、下記のとおり、公的分析結果が妥当であると考えられた。
スクロオキシ水酸化鉄の方が、クエン酸第二鉄より、1日当たりの服薬錠数や剤形の観点から
比較対照技術として適切であると考えられる。
服薬負担はプロセス指標の側面が強く、ビニエットによる QOL 値をデータソースとして、服薬
負担を QOL 値の差として設定することは、妥当ではない。
公的分析による患者割合の設定は妥当である。
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