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07 参考資料2-1 帯状疱疹ワクチン ファクトシート (15 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36248.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第21回 11/9)《厚生労働省》 |
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抗体を検出する方法として酵素抗体法(enzyme-linked immunosorbent assay, ELISA)には、VZV に
対する IgG 抗体を定量的に検出する VZV IgG-ELISA と IgM 抗体を定量的に検出する IgM-ELISA な
どのキットが市販されている。また、感度に優れる、膜蛍光抗体法(fluorescent antibody to membrane
antigen、FAMA)58)や感染細胞からウイルス糖蛋白を濃縮し ELISA の抗原とした gpELISA 12,59 )も使
用される。FAMA は、gpELISA と同等以上の感度を有するが、正確な検査結果を得るには熟練を要
する。そのため、VZV 感染 Vero 細胞をテラサキプレートに添加して FAMA を簡便にした方法 60)や
A549 細胞*を用いた間接蛍光抗体法(indirect immunofluorescent assay、IFA)も報告されている 61)。
なお、補体結合反応(complement fixation、CF)62)は、感度・特異性(HSV との交差反応)が低く、
それを用いても帯状疱疹の診断に参考となる検査成績を得ることは難しいとされている。血清学的
検査は、ほとんどが民間の検査機関で対応でき、健康保険適用されている。
A549 細胞:D. J. Giard らによって樹立されたヒト肺胞基底上皮腺癌由来細胞
*
4) 細胞性免疫検査:帯状疱疹の発症には VZV に対する細胞性免疫が重要な役割を果たしている。
VZV に対する細胞性免疫能を評価する方法としては、
インターフェロンガンマを測定する方法 63)や、
ELISPOT 法 64)が用いられる。また、日本においては、水痘皮内抗原を用いた皮内テストを利用する
ことも可能である 65)。皮内テストでは、市販の「水痘抗原」液を皮内注射し、24~48 時間後に出現
する発赤の径の長さにより VZV に対する細胞性免疫の程度を評価する。発赤径が 5 mm 以上あれば
陽性と判定される。なお、高齢、栄養不良、胸腺の発育不全症、ウイルス感染症、悪性腫瘍、薬剤
(免疫抑制剤、副腎皮質ホルモン剤、制癌剤等)の投与中の人では、VZV に対する細胞性免疫が低
下していることがあるので、VZV に対する細胞性免疫の程度を評価する上で考慮が必要である。
④
治療法
1)抗ウイルス薬による治療
ウイルス由来のチミジンリン酸化酵素でリン酸化されることにより抗ウイルス活性を発揮する薬
剤であるアシクロビル、バラシクロビル(アシクロビルのプロドラッグで消化管から吸収されると
アシクロビルとなる)
、ファムシクロビル(ペンシクロビルのプロドラッグで消化管から吸収される
とペンシクロビルとなる)の全身投与で治療する。
通常成人には、アシクロビル(800 mg/回、1 日 5 回経口投与、7 日間)
、バラシクロビル(1000 mg/
回,1 日 3 回経口投与、7 日間)
、ファムシクロビル(500 mg/回、1 日 3 回経口投与、7 日間)で治療
する。小児には、通常、アシクロビル(20 mg/回(ただし 1 回最高用量は 800 mg)、1 日 4 回経口投
与、7 日間)
、バラシクロビル(25 mg/回(ただし 1 回最高用量は 1000 mg)、1 日 3 回経口投与、7
日間)で治療する。
尚、日本では認可されてはいないが,ブリブジン(125 mg/回、1 日 1 回,7 日間)による治療でも
効果が認められ,いくつかの国で使用が認められている。
上記の抗ウイルス薬(アシクロビル 66-71)、バラシクロビル 72)、ファムシクロビル 73-75)、ブリブジ
ン 76)等)投与による治療により、ウイルス排出期間の短縮、新規皮膚病変の出現抑制、皮膚病変の
治癒の促進効果が得られる。また、これらの抗ウイルス薬による治療を行うことで疼痛期間の短縮
と重症度の低減効果が得られることが明らかにされている。すなわち、QOL の向上にも繫がる。
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対する IgG 抗体を定量的に検出する VZV IgG-ELISA と IgM 抗体を定量的に検出する IgM-ELISA な
どのキットが市販されている。また、感度に優れる、膜蛍光抗体法(fluorescent antibody to membrane
antigen、FAMA)58)や感染細胞からウイルス糖蛋白を濃縮し ELISA の抗原とした gpELISA 12,59 )も使
用される。FAMA は、gpELISA と同等以上の感度を有するが、正確な検査結果を得るには熟練を要
する。そのため、VZV 感染 Vero 細胞をテラサキプレートに添加して FAMA を簡便にした方法 60)や
A549 細胞*を用いた間接蛍光抗体法(indirect immunofluorescent assay、IFA)も報告されている 61)。
なお、補体結合反応(complement fixation、CF)62)は、感度・特異性(HSV との交差反応)が低く、
それを用いても帯状疱疹の診断に参考となる検査成績を得ることは難しいとされている。血清学的
検査は、ほとんどが民間の検査機関で対応でき、健康保険適用されている。
A549 細胞:D. J. Giard らによって樹立されたヒト肺胞基底上皮腺癌由来細胞
*
4) 細胞性免疫検査:帯状疱疹の発症には VZV に対する細胞性免疫が重要な役割を果たしている。
VZV に対する細胞性免疫能を評価する方法としては、
インターフェロンガンマを測定する方法 63)や、
ELISPOT 法 64)が用いられる。また、日本においては、水痘皮内抗原を用いた皮内テストを利用する
ことも可能である 65)。皮内テストでは、市販の「水痘抗原」液を皮内注射し、24~48 時間後に出現
する発赤の径の長さにより VZV に対する細胞性免疫の程度を評価する。発赤径が 5 mm 以上あれば
陽性と判定される。なお、高齢、栄養不良、胸腺の発育不全症、ウイルス感染症、悪性腫瘍、薬剤
(免疫抑制剤、副腎皮質ホルモン剤、制癌剤等)の投与中の人では、VZV に対する細胞性免疫が低
下していることがあるので、VZV に対する細胞性免疫の程度を評価する上で考慮が必要である。
④
治療法
1)抗ウイルス薬による治療
ウイルス由来のチミジンリン酸化酵素でリン酸化されることにより抗ウイルス活性を発揮する薬
剤であるアシクロビル、バラシクロビル(アシクロビルのプロドラッグで消化管から吸収されると
アシクロビルとなる)
、ファムシクロビル(ペンシクロビルのプロドラッグで消化管から吸収される
とペンシクロビルとなる)の全身投与で治療する。
通常成人には、アシクロビル(800 mg/回、1 日 5 回経口投与、7 日間)
、バラシクロビル(1000 mg/
回,1 日 3 回経口投与、7 日間)
、ファムシクロビル(500 mg/回、1 日 3 回経口投与、7 日間)で治療
する。小児には、通常、アシクロビル(20 mg/回(ただし 1 回最高用量は 800 mg)、1 日 4 回経口投
与、7 日間)
、バラシクロビル(25 mg/回(ただし 1 回最高用量は 1000 mg)、1 日 3 回経口投与、7
日間)で治療する。
尚、日本では認可されてはいないが,ブリブジン(125 mg/回、1 日 1 回,7 日間)による治療でも
効果が認められ,いくつかの国で使用が認められている。
上記の抗ウイルス薬(アシクロビル 66-71)、バラシクロビル 72)、ファムシクロビル 73-75)、ブリブジ
ン 76)等)投与による治療により、ウイルス排出期間の短縮、新規皮膚病変の出現抑制、皮膚病変の
治癒の促進効果が得られる。また、これらの抗ウイルス薬による治療を行うことで疼痛期間の短縮
と重症度の低減効果が得られることが明らかにされている。すなわち、QOL の向上にも繫がる。
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