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07 参考資料2-1 帯状疱疹ワクチン ファクトシート (10 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36248.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第21回 11/9)《厚生労働省》 |
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また表 4 には、
帯状疱疹の診断後 1 年以内に発症した心血管系疾患(CVD: coronary vascular disease)、
脳梗塞、敗血症、Bell 麻痺の発症頻度について示した。一般人口に比較して、これらの疾患の発症
率が高いことが示唆された 25)。
表4.
帯状疱疹診断後 1 年以内に発症した疾患の性別年代別罹患率比(Incidence rate ratio:IRR)
(文献 25 より翻訳、一部改変)
CVD (心血管系疾患(脳梗塞を除く)) 脳梗塞
64
IRRa (95%CI)
1.82 (1.42-2.33)
男性
26
女性
38
n
全症例
Bell 麻痺
敗血症
111
IRRa (95%CI)
1.34 (1.12-1.62)
1.62 (1.10-2.38)
49
1.99 (1.45-2.74)
62
n
37
IRRa (95%CI)
1.47 (1.06-2.03)
71
IRRa (95%CI)
10.6 (8.33-13.4)
1.30 (0.98-1.72)
15
1.23 (0.74-2.05)
43
15.7 (11.6-21.3)
1.38 (1.08-1.77)
22
1.68 (1.11-2.56)
28
6.99 (4.80-10.2)
n
n
性別
p値
b
0.41
0.75
0.36
< 0.01
年齢(歳)
0-39
0
40-49
1
1.15 (0.16-8.16)
50-59
12
3.51 (1.99-6.19)
2
0.44 (0.11-1.76)
0
60-69
21
2.68 (1.75-4.12)
13
1.12 (0.65-1.92)
3
70-79
16
1.37 (0.84-2.25)
35
1.47 (1.05-2.04)
6
0.79 (0.35-1.76)
13
7.69 (4.42-13.4)
80+
14
1.29 (0.76-2.18)
57
1.38 (1.07-1.80)
22
1.82 (1.19-2.77)
19
14.4 (9.03-23.0)
p 値c
4
0.06
10.3 (3.87-27.6)
0
< 0.01
3
9.10 (2.93-28.3)
15
23.4 (14.0-38.9)
3
9.42 (3.02-29.3)
1
2.62 (0.37-18.6)
6
7.23 (3.23-16.2)
0.79 (0.25-2.44)
17
9.09 (5.61-14.7)
< 0.01
0.01
a. 年齢・性別にて補正
b. Wald test(帯状疱疹と性別間の相互作用より)
c. Wald test(帯状疱疹と年齢間の相互作用より)
・帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia:PHN)
PHN は帯状疱疹の代表的な合併症で、皮膚病変が治癒した後に残存する神経障害性疼痛である。
皮疹消失後 3 か月以上にわたって疼痛が持続する場合を指す。痛みは数か月から数年にわたる。
患者によって痛みの症状や程度は異なるが、「焼けるような」「締め付けるような」持続性の痛み
や、
「ズキンズキンとする」痛みを訴えることが多く、睡眠や日常生活を障害するほど重篤な場合が
ある。軽く触っただけでも強い疼痛を感じることがあり、アロディニアと呼ばれる。
発症頻度は年齢や症例定義、報告によって異なるが、帯状疱疹症例の 10-50%で PHN を生じると
報告されている。加齢は PHN の重要なリスク因子である。また、年齢の他、帯状疱疹発症時の疼痛
の程度、皮疹の数も関与するとされている 7)。
北海道釧路市における60歳以上の帯状疱疹に関する観察研究では、90日以上の疼痛の持続が9.2%
(95%CI, 6.6-12.4(38/412人))の症例で認められた22)。同様に、イタリアの108施設(2009-2010年)
で実施された帯状疱疹関連疼痛に関するコホート研究では、413人の50歳以上の帯状疱疹患者のうち、
370人(89.6%)が帯状疱疹関連疼痛(急性期の疼痛を含む)を発症し、一般的なPHNの疼痛持続期
間の定義とされる3か月後、6か月後の時点に疼痛を認めていた患者は、それぞれ20.6%、9.2%であっ
た26)。
5
帯状疱疹の診断後 1 年以内に発症した心血管系疾患(CVD: coronary vascular disease)、
脳梗塞、敗血症、Bell 麻痺の発症頻度について示した。一般人口に比較して、これらの疾患の発症
率が高いことが示唆された 25)。
表4.
帯状疱疹診断後 1 年以内に発症した疾患の性別年代別罹患率比(Incidence rate ratio:IRR)
(文献 25 より翻訳、一部改変)
CVD (心血管系疾患(脳梗塞を除く)) 脳梗塞
64
IRRa (95%CI)
1.82 (1.42-2.33)
男性
26
女性
38
n
全症例
Bell 麻痺
敗血症
111
IRRa (95%CI)
1.34 (1.12-1.62)
1.62 (1.10-2.38)
49
1.99 (1.45-2.74)
62
n
37
IRRa (95%CI)
1.47 (1.06-2.03)
71
IRRa (95%CI)
10.6 (8.33-13.4)
1.30 (0.98-1.72)
15
1.23 (0.74-2.05)
43
15.7 (11.6-21.3)
1.38 (1.08-1.77)
22
1.68 (1.11-2.56)
28
6.99 (4.80-10.2)
n
n
性別
p値
b
0.41
0.75
0.36
< 0.01
年齢(歳)
0-39
0
40-49
1
1.15 (0.16-8.16)
50-59
12
3.51 (1.99-6.19)
2
0.44 (0.11-1.76)
0
60-69
21
2.68 (1.75-4.12)
13
1.12 (0.65-1.92)
3
70-79
16
1.37 (0.84-2.25)
35
1.47 (1.05-2.04)
6
0.79 (0.35-1.76)
13
7.69 (4.42-13.4)
80+
14
1.29 (0.76-2.18)
57
1.38 (1.07-1.80)
22
1.82 (1.19-2.77)
19
14.4 (9.03-23.0)
p 値c
4
0.06
10.3 (3.87-27.6)
0
< 0.01
3
9.10 (2.93-28.3)
15
23.4 (14.0-38.9)
3
9.42 (3.02-29.3)
1
2.62 (0.37-18.6)
6
7.23 (3.23-16.2)
0.79 (0.25-2.44)
17
9.09 (5.61-14.7)
< 0.01
0.01
a. 年齢・性別にて補正
b. Wald test(帯状疱疹と性別間の相互作用より)
c. Wald test(帯状疱疹と年齢間の相互作用より)
・帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia:PHN)
PHN は帯状疱疹の代表的な合併症で、皮膚病変が治癒した後に残存する神経障害性疼痛である。
皮疹消失後 3 か月以上にわたって疼痛が持続する場合を指す。痛みは数か月から数年にわたる。
患者によって痛みの症状や程度は異なるが、「焼けるような」「締め付けるような」持続性の痛み
や、
「ズキンズキンとする」痛みを訴えることが多く、睡眠や日常生活を障害するほど重篤な場合が
ある。軽く触っただけでも強い疼痛を感じることがあり、アロディニアと呼ばれる。
発症頻度は年齢や症例定義、報告によって異なるが、帯状疱疹症例の 10-50%で PHN を生じると
報告されている。加齢は PHN の重要なリスク因子である。また、年齢の他、帯状疱疹発症時の疼痛
の程度、皮疹の数も関与するとされている 7)。
北海道釧路市における60歳以上の帯状疱疹に関する観察研究では、90日以上の疼痛の持続が9.2%
(95%CI, 6.6-12.4(38/412人))の症例で認められた22)。同様に、イタリアの108施設(2009-2010年)
で実施された帯状疱疹関連疼痛に関するコホート研究では、413人の50歳以上の帯状疱疹患者のうち、
370人(89.6%)が帯状疱疹関連疼痛(急性期の疼痛を含む)を発症し、一般的なPHNの疼痛持続期
間の定義とされる3か月後、6か月後の時点に疼痛を認めていた患者は、それぞれ20.6%、9.2%であっ
た26)。
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