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資料2-1 重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤による接触皮膚炎(案) (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00004.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第14回 9/15)《厚生労働省》
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塩化ベンザルコニウムによるパッチテストの陽性像

消毒薬、うがい液、薬剤中のクロルヘキシジンによるアナフィラキシー
クロルヘキシジンは、抗菌作用を有し、グルコン酸塩、塩酸塩、酢酸塩として使用さ
れ、消毒薬、うがい液、外用薬、坐薬、トローチ、歯磨き粉、便座の消毒シートなどの多
くの製品に含まれている。これらの製品の使用後に膨疹、呼吸苦などのアナフィラキシー
が報告され、血圧低下などのショックを呈した症例も含まれる 60)。使用していた製品およ
びその成分のプリックテストを行い、クロルヘキシジンで陽性反応を認めれば、それによ
るアレルギーと診断できる。これまでにクロルヘキシジンによるアナフィラキシー症例が
多く出現したため、結膜嚢以外の粘膜(膣、膀胱、口腔粘膜)のクロルヘキシジンの使用
は禁忌となっている。したがって使用部位に適切な濃度で用いることが必要である。また
クロルヘキシジンアレルギーの患者は、日常的にクロルヘキシジン含有製品が多く存在す
るため、成分を確認し含有製品を避ける必要がある。
消毒薬のオラネキシジングルコン酸塩によるアレルギー性接触皮膚炎
オラネキシジングルコン酸塩は 2015 年に発売されたビグアナイド系消毒薬であり、各
種グラム陽性および陰性の一般細菌のみならず、生体消毒薬に抵抗性を示すといわれる細
菌に対しても強い殺菌力を有し、特にグラム陽性菌には強い殺菌力と速効性を有する 61)。
手術部位の皮膚の消毒に使用が認められており、術後にアレルギー性接触皮膚炎が発症し
た症例が報告されている 62)。多くの症例は、初回の使用後に発症しており、使用後 3 日目
から 17 日目頃に皮膚症状が出現している 63)。診断はパッチテストを行って確定する。オ
ラネキシジングルコン酸塩は比較的長期に角層表面に残在することが報告されており 64)、
そのために初回使用時でもアレルギー接触皮膚炎を発症する可能性が推察される。したが
って、初回使用時や術後 1 週間以上たってから発症した場合においても、術野消毒薬であ
るオラネキシジングルコン酸塩が原因である可能性を念頭に置いておくべきである。
防腐剤や歯根管治療薬中のホルムアルデヒドによるアレルギー
ホルムアルデヒドは医薬品や消毒剤、食料品に防腐剤として使用され、遅延型アレルギー
である接触皮膚炎と即時型アレルギーの両者を発症する。アレルギー性接触皮膚炎では、
同成分が含まれる製品を使用した部位に湿疹等が誘発され、パッチテスト(前述のパッチ
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