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資料2-1 重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤による接触皮膚炎(案) (32 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00004.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第14回 9/15)《厚生労働省》
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(4) 外用薬以外の接触皮膚炎
皮疹からは接触皮膚炎が考えられるが、原因が、スキンケア製品であったり、身の回り
の金属であったり、診断には落とし穴がある。臨床症状、発症経過をよく聞き、原因と推
定されるものを網羅した製品と共に、JBS2015 を貼付することで、身近なアレルゲンの見
落としを防ぐことができる。

5.治療方法
薬剤による接触皮膚炎の治療は、まず、原因となった薬剤を中止し、接触アレルギーを
起こさないステロイド外用薬を選択し、炎症症状の強い場合には、局所作用の強いステロ
イド外用薬を使用する。皮疹が重度で広範囲に分布する場合、顔面の浮腫が強い場合、自
家感作性皮膚炎を生じて汎発疹がみられる場合、発熱や倦怠感を伴う強い反応を示す場合
(接触皮膚炎症候群)などでは、ステロイド薬の内服治療が奨められる 51-57)。なお、ステ
ロイド薬、抗ヒスタミン薬のアレルギー、薬剤の基剤成分のアレルギーの場合は、外用薬
の選択に十分注意し、接触アレルギーを持つ薬剤や交叉反応を起こす薬剤を患者に書面で
通知し、内服・注射しないよう、生活指導を徹底する。

6.最近アレルギー性接触皮膚炎が多く報告されている医薬品
尋常性ざ瘡治療薬中の過酸化ベンゾイルによるアレルギー性接触皮膚炎
過酸化ベンゾイルは、抗菌作用、角質剥離作用を有する尋常性ざ瘡の治療薬として、欧
米では 50 年以上前から使用されている。日本では 2015 年に過酸化ベンゾイル含有ゲル、
クリンダマイシン塩酸塩・過酸化ベンゾイル配合ゲルが、2016 年にはアダパレン・過酸
化ベンゾイル配合ゲルが発売された。使用初期に刺激性接触皮膚炎を起こしやすいが、多
くは保湿剤などを併用し継続することで耐性ができる。問題となるのはアレルギー性接触
皮膚炎で、顕著な紅斑、水疱、浮腫を伴うものや、接触蕁麻疹、接触性血管浮腫の報告が
ある 58)。過酸化ベンゾイルの他の用途として、強力な抗酸化作用を有し、ラジカル開始剤
としてポリマーの合成や漂白などにも利用され、欧米では皮膚潰瘍治療薬、髪や歯の漂白
剤、粘着テープ、スイミングゴーグルなどでの接触皮膚炎の報告がある。
アレルギー性接触皮膚炎はパッチテストにより、接触じんましん、血管浮腫はプリック
テストを施行し陽性であれば診断できる。生活指導は、原因薬剤の使用中止と、医薬品や
様々な生活用品などに使用されるため、成分を確認し避けるよう指導する。

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