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資料2-1 重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤による接触皮膚炎(案) (31 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00004.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第14回 9/15)《厚生労働省》
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3)使用していた薬剤によるパッチテストで陽性
d-2. 接触皮膚炎症候群
1)痒み
2)使用していた局所を越えて全身に皮膚病変が拡大する
3)使用していた薬剤によるパッチテストで陽性
e. アレルギー性接触蕁麻疹
1)痒み
2)原因外用薬を使用した部位に蕁麻疹
3)重症例では全身に蕁麻疹が拡大、呼吸困難、血圧低下などのアナフィラキシー
4)使用していた薬剤によるプリックテストあるいはスクラッチテスト陽性
(3)副所見
アレルギー性接触皮膚炎では皮膚病理組織学的に表皮に海綿状態、真皮浅層血管周囲に
リンパ球を主体にした細胞浸潤を認める(図5)。

4.判別が困難な疾患と判別方法
接触皮膚炎は臨床症状、パッチテスト、連続塗布試験(Repeated open application
test)などで診断する。臨床的に鑑別を要する疾患について、簡単に述べる。
(1) 白癬
白癬は痒みを伴い、紅斑、丘疹が出現する疾患であり、病理組織でも海綿状態がみら
れ、鑑別を要する疾患である。とくに、顔面の白癬は、化粧品による接触皮膚炎と誤診さ
れることが多く、ステロイド外用薬により、さらに悪化している場合、ステロイド外用薬
による接触皮膚炎と鑑別する必要がある。鑑別の基本は、輪状、あるいは環状に拡大する
紅斑の内側に鱗屑がある臨床所見と、白癬菌陽性であることが白癬の確定診断になる。
(2) 酒さ・酒さ様皮膚炎
酒さは、ステロイド外用薬により悪化するために、化粧品皮膚炎やステロイド外用薬
による接触皮膚炎と鑑別を必要とする。特徴は、顔面の頬を中心に左右対称性に毛細血
管拡張、紅斑・浮腫、丘疹、火照り感などが持続することである。酒さ様皮膚炎はステロ
イド外用薬の顔面への長期使用により酒さと類似した症状が出現する疾患で、皮膚萎縮、
痛み、膿疱などが出現する。鑑別は、組織検査とパッチテスト、毛包虫の有無による。
(3) アトピー性皮膚炎
痒みを主訴に、慢性に経過する苔癬化など特徴的な皮疹の分布と形態を呈する湿疹で
ある。接触皮膚炎の合併の有無との鑑別にはパッチテストが必要である。慢性に掻破す
ることが皮疹の誘発因子となる。

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