表 2．接触皮膚炎を起こすと報告されている消炎鎮痛外用薬(局所麻酔薬や鎮痒薬を含む)
病型

アレルギー性接
触皮膚炎

光接触皮膚炎

アレルギー性接
触皮膚炎

原因物質

NSAIDsの
外用薬・貼付薬

部位・特徴

ブフェキサマク（アンダーム®、OTCにも頻用:
現在は販売中止）
、イブプロフェンピコノール
（スタデルム®）
、ウフェナマート（フェナゾー
ル®）
、ジクロフェナクナトリウム（ボルタレン
®ゲル）
、インドメタシン（インテバン®）
ケトプロフェン（モーラス®テープ、OTC）
、ピ
ロキシカム（フェルデン®、バキソ®）

エステル型局所麻酔薬：プロカイン塩酸塩、
アミノ安息香酸エチルアミド型局所麻酔薬：
局所麻酔薬
ジブカイン塩酸塩
セトアニリド誘導体局所麻酔薬：リドカイン
塩酸塩（キシロカイン®）
ジフェンヒドラミン塩酸塩（レスタミンコー
抗 ヒスタミ ンン薬 ワ®）
、クロタミトン（オイラックス®）
、L-メン
などの鎮痒外用薬 トール、サリチル酸グリコール、サリチル酸メ
チル

患部（湿疹・疼痛部位）に
好発。
接触感作原性が高い。交叉
反応により、同系統の内服
薬などで全身性接触皮膚
炎としての薬疹が誘発さ
れることがある。
OTCにも多く含まれる。
同系統の薬剤間で高頻度
に交叉反応が認められる。
強い反応をおこし、接触皮
膚炎症候群の頻度も高い。
OTCにも多く含まれる。
頻度は多くないが、多くの
鎮痒外用薬のOTCに含まれ
るため、注意が必要。

※特に頻度の高いとされるものを太字で記した。

消炎鎮痛外用薬に配合される主剤の NSAIDs は、いずれも接触皮膚炎を起こすが、ブフェ
キサマク（アンダームⓇ軟膏・クリーム、OTC にも頻用：現在は発売中止）やイブプロフェ
ンピコノール（スタデルムⓇ軟膏・クリーム、ベシカムⓇ軟膏・クリーム）は接触感作原性
が高いことで知られる。これらの NSAIDs はそれ自身又は交叉反応する同系統の内服薬が広
く服用されているため、接触感作の成立に伴い全身性接触皮膚炎としての薬疹がしばしば
誘発される。
ケトプロフェンに代表されるアリルプロピオン酸系の NSAIDs は光アレルギー性接触皮
膚炎を引き起こし易いことで知られる。光アレルギー性接触皮膚炎は、偶然の日光暴露で
露光部に皮疹が生じてからの詳細な問診でようやく 1 カ月以上前のケトプロフェン製剤の
使用が判明することがあるので、診断に際しては注意が必要である。表 3 は、プロピオン
酸系 NSAIDs の外用薬・内服薬・注射薬における剤型と商品名を示したものである。これら
外用薬や内服薬の OTC の間では顕著な交叉反応が認められるため、ケトプロフェン外用薬
に感作された場合には、交叉反応の認められる同じ系統の広範な各種外用薬・内服薬の外
用・内服により光接触皮膚炎や光線過敏型薬疹の誘発に注意する必要がある。
表 3．プロピオン酸系 NSAIDs の外用薬・内服薬・注射薬における剤形と商品名
1)

ケトプロフェン外用薬（軟膏[O]、クリーム[Cr]、ローション[L]、テープ[T]、パップ[P]、ゲル[G]）の商品名：メナミン O、
エパテック G・Cr・L、セクター・Cr・L、モーラス T・P、ミルタックス P、ケトタックス P、サトステップ P、タッチロン P
など

2)

ケトプロフェン内服薬（カプセル、徐放製剤[SR]）の商品名：オルヂス、オルヂス SR、メナミン、メナミン SR など

3)

ケトプロフェン注射薬（筋注用デポ剤）の商品名：カピステン、メナミン、メジェイド、ケトプロ、ケトブン KP など

4)

ケトプロフェン坐薬（坐剤）の商品名：オルヂス、メナミン、アネオール、オルサポスなど

5)
6)

スプロフェン外用薬（軟膏、クリーム）の商品名：スルプロチン、スレンダム、アンテザック、トパルジックなど

7)

チアプロフェン酸内服薬（錠剤）の商品名：スルガム、スリメン、スルガフェン、チオガムなど
その他のプロピオン酸系の NSAIDs（錠剤、パップ[P]）:イブプロフェン（ブルフェン）
、フェノプロフェン（フェノプロン）、
ナプロキ セン（ナイキサン）、フルルビ プロフェン（アドフィード P、ヤクバンテープ、 ゼポラス P、フルルパン
P）
・・・括弧内は商品名

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