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資料2-1 重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤による接触皮膚炎(案) (22 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00004.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第14回 9/15)《厚生労働省》
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た対応が必要になる。医薬品には主薬と基剤があり、どちらも発症に関与する可能性があ
る。また、光が関与するものもある。接触アレルゲンには交叉反応性があり、一旦感作さ
れた患者では、交叉反応する薬剤や基剤成分の知識も必要である。
a. 刺激性接触皮膚炎:薬剤を使用後、当日あるいは翌日にひりひり感や発赤、痛みが出現
した場合。不適切な使用方法によるもの、薬剤本来の作用による刺激もある。重篤な場合
は入院設備のある皮膚科専門医のいる病院に紹介する。
b. アレルギー性接触皮膚炎:
b-1. 薬剤が効かずにかえって治そうとした皮膚疾患が悪くなる場合。原因として、診
断が合っていない、診断は合っているが効果のない医薬品を使っている、もしく
は薬剤による接触皮膚炎が考えられる場合は、皮膚科専門医の診断と対応が必要
である。
b-2. 薬剤を使用している部位が、はじめは症状が良くなっていても、ある時から痒み
や紅斑、丘疹、滲出液などが急に出現する場合。これは、薬剤の効果ではなく、
アレルギー性接触皮膚炎の可能性がある。重症になると、リンパ節腫脹、全身に
拡大する皮疹、発熱などを伴う。ただちに皮膚科専門医のいる入院設備のある病
院に紹介する。
c. 光毒性接触皮膚炎と光アレルギー性接触皮膚炎:紫外線を浴びた部位にかぶれの症状が
生じる。ケトプロフェンを含有する貼付剤では、貼付後紫外線に照射されると、強い光
アレルギー性接触皮膚炎を生じることがある(図 2)。この副作用はよく知られており、
頻度も低くはない。光パッチテストを行える設備のある皮膚科専門医のいる施設に紹介
する。
d. 全身性接触皮膚炎・接触皮膚炎症候群:全身に重度の皮膚病変を生じている場合は入院
設備のある皮膚科専門医のいる施設に紹介する。
e. 接触蕁麻疹:薬剤使用後、すぐに痒みや蕁麻疹が出現した場合。呼吸困難、気分不良、
ショックを起こす可能性がある。蕁麻疹が全身に拡大したり全身症状が出現する際は、
ただちに皮膚科専門医のいる入院設備のある病院に紹介する。

2.薬剤による接触皮膚炎の概要
(1)自覚症状
刺激性接触皮膚炎、光毒性接触皮膚炎では刺激感、疼痛が出現する。アレルギー性接触
皮膚炎、光アレルギー性接触皮膚炎では発赤、痒み、重度になれば発熱、全身倦怠感が出
現する。接触蕁麻疹では痒み、息苦しさ、重度では意識喪失、ショックになり得る。
(2)他覚症状
アレルギー性接触皮膚炎では、原因となる医薬品を外用した部位に紅斑、浮腫、丘疹、
漿液性丘疹、小水疱、びらんが生じる(図 1)。重度になれば外用部位を越えて紅斑、浮腫、
丘疹が拡大する(図 3)。原因が除去されれば皮疹は約 2 週間で改善するが色素沈着を残す
場合もある。接触皮膚炎に気づかず慢性に経過すると皮膚が厚くなり苔癬化病変を示すこ
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