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6 先進医療技術の科学的評価等について(先-6-2)[6.3MB] (25 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00111.html
出典情報 先進医療会議(第149回 12/4)《厚生労働省》
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4)研究責任者又は研究分担者は CYP2D6 遺伝子多型から判断された表現型を被験者に伝える。被験者のゴー
シェ病の主治医が研究責任者(又は研究分担者)ではない場合、研究責任者(又は研究分担者)は治療を担当す
る医師にも伝える。これらのデータは薬事申請時の資料とすることを計画している。

(効果)
ゴーシェ病は糖脂質の代謝障害のため、グルコシルセラミドが種々の臓器に蓄積し、発症する極めて稀な先天性
代謝異常症である。その治療薬としてグルコシルセラミドの合成を抑制する経口薬サデルガが 2015 年 3 月に我が
国で製造販売承認を取得した。サデルガの効果には用量依存傾向があり、かつ中毒閾値をこえると心毒性を呈す
ることが報告されている。サデルガはチトクロームP450 2D6(以下 CYP2D6)にて分解・代謝される。そして CYP2D6
遺伝子には多型が存在し、その分解能力という観点から ultra-rapid metabolizer(URM)、extensive
metabolizer(EM)、intermediate metabolizer(IM)、Poor metabolizer(PM)の 4 つのタイプに分類されている。したがっ
て、サデルガを患者に投与する場合、適正な投与量を決定するためには、CYP2D6 の遺伝子多型を投与前に同
定しておくことは必須である。しかしながら、本邦において CYP2D6 遺伝子多型検査に用いる体外診断薬は過去
に存在したが、2023 年 3 月に販売中止となり現在は使用できない状況である。また、2015 年から先進医療として
実施していた LUMINEX 社 xTAG CYP2D6 kit v3 RUO4)も 2021 年 1 月に販売中止となり現在は使用できない。
その為厚生労働省難病対策課と検討し、国内で唯一の CYP2D6 検査を実施している株式会社エスアールエル
CYP2D6 遺伝子多型検査を先進医療として実施することとなった。株式会社エスアールエル CYP2D6 遺伝子多
型検査は、国内外で現在のところ未承認の検査である。この株式会社エスアールエル CYP2D6 遺伝子多型検査
を用いて先進医療研究を行うことにより、経口治療を希望するゴーシェ病患者の CYP2D6 遺伝子多型を確認し、
用法用量設定が可能となると共に、得られた日本人の使用経験データを用いて日本人ゴーシェ病患者集団にお
ける CYP2D6 遺伝子多型の存在を確認することができる。また、将来的に株式会社エスアールエル CYP2D6 遺
伝子多型検査を CYP2D6 遺伝子多型検査として薬事承認申請を行う。

(先進医療にかかる費用)
医療機器使用料として、640,000 円、人件費として、285,600 円、その他費用として、50,000 円の合計 975,600 円
がかかる。株式会社エスアールエル CYP2D6 遺伝子多型検査については、サノフィ株式会社より費用が提供され
る。また、本検査により発生する費用、並びにその他人件費を含む費用について、サノフィ株式会社より提供される
ため、患者の負担分はない。

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