6 先進医療技術の科学的評価等について(先-6-2)[6.3MB] (112 ページ)
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| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00111.html |
| 出典情報 | 先進医療会議(第149回 12/4)《厚生労働省》 |
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<先進医療告示29>
抗ネオセルフβ2グリコプロテインⅠ複合体抗体検査
適応症
不育症
内容
(先進性)
不育症患者の半数以上は原因不明であり、治療法がわからずに流産、死産を繰り返している。2019~2021 年度
に実施された臨床研究(日本医療研究開発機構(AMED)成育疾患克服等総合研究事業「不育症、産科異常に関
わるネオ・セルフ抗体の研究開発」)において、β2GPI ネオセルフ抗体が不育症を引き起こす重要な要因である可
能性が示唆されている。そこで、本研究では、より大規模な臨床研究において、不育症の患者にβ2GPI ネオセル
フ抗体検査を実施することの有用性を検証することを目的としている。
(概要)
不育症は不妊症と異なり、妊娠はできるが流産や死産を繰り返し、生児を産むことができない病気である。日本で
は、不育症患者が推計140万人いると考えられており、少子高齢化が進む日本において克服すべき重要課題であ
る。しかし、不育症患者の半数以上は原因が不明で、治療法がわからないことが多いのが現状である。
大阪大学微生物病研究所の荒瀬尚教授と神戸大学医学部の谷村憲司特命教授の共同研究により、脳梗塞のよ
うな重要な臓器の血管に血の塊が詰まり生命を脅かす血栓症や、流産、妊婦の生命を脅かす妊娠高血圧症候群な
どの病気を引き起こす抗リン脂質抗体症候群の原因となる全く新しい自己抗体(抗β2グリコプロテインIネオセルフ
抗体)が発見された(Tanimura K, et al. Blood (2015))。
不育症と抗β2グリコプロテインIネオセルフ抗体の関係については、2019~2021年度の日本医療研究開発機構
(AMED)成育疾患克服等総合研究事業「不育症、産科異常に関わるネオ・セルフ抗体の研究開発」において、臨
床研究が行われた。この臨床研究において、不育症の女性227人について抗β2グリコプロテインIネオセルフ抗体
を測定した結果、52人(23%)の患者で陽性となった。不育症における抗β2グリコプロテインIネオセルフ抗体陽性
の頻度は、不育症の原因を調べた他の検査(子宮形態異常、甲状腺機能異常、カップルいずれかの染色体異常な
ど)の中で最も高く、抗β2グリコプロテインIネオセルフ抗体が不育症を起こす重要な原因になっている可能性が示
唆された。また、この227人の不育症患者のうち、既存の不育症検査では原因が判明しなかった患者は121人おり、
このうち24人(20%)が抗β2グリコプロテインIネオセルフ抗体のみが陽性となった。この臨床研究は、Tanimura K, et
al. Arthritis & Rheumatology(2020)、 Tanimura K, et al. Int J Mol Sci (2023) において報告されている
今回、抗β2グリコプロテインIネオセルフ抗体の保険収載を目指して、抗β2グリコプロテインIネオセルフ抗体の
有効性を示すことを目的とした多機関共同臨床研究を、先進医療制度(先進医療A)として実施することとした。
(効果)
本研究は、原因不明の不育症患者の原因解明に寄与する可能性がある。本研究によって、抗β2グリコプロテインI
ネオセルフ抗体が不育症を起こす要因であることを示すことができれば、これまで原因不明で流産、死産を繰り返し
た患者に対して、精神的、肉体的なストレスを軽減し、生産率向上へ貢献できる。
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