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【参考資料】情報通信機器を用いた精神療法に係る指針_改訂版 (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66485.html
出典情報 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会(第12回 12/1)《厚生労働省》
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また、精神療法の実施においては、非言語的なコミュニケーションが特に重要であ
るとされていることを踏まえれば、オンライン精神療法を実施する場合、得られる情
報が限定されるため、精神科の医師は、患者の精神症状等について、対面診療と同等
程度に有用な情報を得るよう努めつつ、患者に対して、よりわかりやすく丁寧な説明
や助言に努め、コミュニケーションを図り信頼関係を構築することが求められる。
なお、対面診療であっても初診精神療法については、患者の背景情報が乏しく、か
つ、十分な信頼関係が構築されていない状況下で、患者の全身の協調、微細な動作や
言動等に注意を払いつつ精神症状等の評価を行い、必要に応じて身体疾患の除外や鑑
別のために検査等も実施しながら、適切な診断や治療計画を組み立てることが求めら
れる。したがって、十分な情報が得られず、信頼関係が前提とされない初診精神療法
について、医療提供者および患者双方から不安の声があることに加え、臨床において

情報通信機器を用いた初診精神療法(オンライン初診精神療法)を適切に実施できる
ことを示す科学的知見も明らかではない現状において、情報通信機器を用いた再診精
神療法(オンライン再診精神療法)と同様に用いることは難しく、引き続きの科学的
知見の集積が期待される。
他方で、精神保健福祉センター、保健所及び市区町村が実施する保健師等による訪
問指導の対応件数が増加傾向であることや行政が行うアウトリーチ支援から必要な方
を医療につなげるための支援が重要である等といった精神保健福祉の現状等を踏ま
え、オンライン再診精神療法に十分な経験がある医師が診察を行うことを前提とし
て、行政が対応を行っている未治療者、治療中断者又はひきこもりの者等に対して、
診察を担当する医療機関と訪問指導等を担当する行政との連携体制が構築されてお
り、診察時に患者の側に保健師等がいる状況であり、十分な情報収集や情報共有が可
能であって、患者自身の希望がある場合には、初診精神療法を活用し、継続した治療
につなげることが考えられる。
(2)適切にオンライン精神療法を実施できる精神科の医師の資質について
精神疾患の診察や治療の実践において、精神科の医師は、精神医学の専門的知見に
基づき、傾聴や支持的精神療法等の技法を用いながら、治療を計画的に組み立て、そ
れを実行していくものであるが、加えて、患者の訴えや挙動等から自傷や急性増悪等
の徴候を注意深く判断し、それらの徴候が認められる場合は、慎重かつ適切な対応を
取る必要がある。
その上で、オンライン診療においては、対面診療に比べて得られる情報が限定され
ることを踏まえると、オンライン精神療法を実施する精神科の医師については、専門
的な知見を有することは前提としつつ、より精緻かつ厳密に、重大な精神症状の悪化
等を判断できる資質が必要である。
そのような資質を担保するためには、少なくとも精神科における診療の一定の経験
や資質を有することが必要である。こうした観点からは、例えば、精神保健福祉法に
規定される精神保健指定医等がオンライン精神療法に関する一定の資質を持った上で
オンライン精神療法を実施することが考えられる。

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