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資料4 2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関する議論の整理(案) (8 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59047.html |
出典情報 | がん診療提供体制のあり方に関する検討会(第18回 6/23)《厚生労働省》 |
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物療法専門医数は、2040 年に向けて増加すると予測されている10一方で、他の
診療科の医師の推計は現状できておらず、薬物療法が高度化している中で薬物
療法の需要の増加(2025 年比で 15%増加)に対応するだけの、薬物療法の担
い手が確保できない懸念がある。
また、近年、遺伝子変異に基づく治療薬の開発が広がるとともに、標準治療の
中にそれらの治療薬が組み込まれてきている。実際に、がん遺伝子パネル検査
の薬事審査の過程を経て、検査の分析性能が担保された遺伝子変異の項目数も
増加している。これらについては、エキスパートパネルでの検討を経ずとも、
質の高いがんゲノム医療を提供することが可能となりつつある。がんの標準治
療を提供することが求められる医療機関として位置づけられている拠点病院等
において、がんゲノム医療が提供できるよう、関連学会等と連携し、その運用
面の改善を図りながら、質の高いがんゲノム医療の提供体制を構築していくこ
とが重要である。現在のがんゲノム医療中核拠点病院等の施設数の推移を鑑み
ると、2025 年6月現在の 282 施設から、拠点病院等を網羅する約 460 施設に
拡大するまで、2037 年頃までかかることが見込まれる。
3)がん医療の需給バランスを維持するための方策について
① 三大療法別の方策
(ⅰ) 手術療法
手術療法に関しては、構成比率の高い 60 歳以上の消化器外科医が、今後臨床現
場を離れることが見込まれる中、需要に見合う消化器外科医数を維持するため
には、日本消化器外科学会の試算に基づくと、少なくとも毎年●人の新たな成
り手の確保が必要であり、現状の●人から追加で●人の確保が必要となる11。
消化器外科医の新たな成り手が増加しない原因としては、長時間労働等により
ワーク・ライフ・バランスの確保が難しいこと、給与が勤務量に見合っていな
いこと等が挙げられている12。関連学会や医療機関等では、複数主治医制によ
る業務分担の推進や、個人へのインセンティブ導入といった取組等を実施して
いるところである13。また、次章「3. 高度な医療技術を伴うがん医療につい
て」にて詳述するが、高度な医療技術の質の確保するために、限られた医療資
10
第 17 回がん診療提供体制のあり方に関する検討会 日本臨床腫瘍学会提出資料「がん薬物療法専門医数と分布の予
測」
11
検討会にて、学会よりご発表いただいた定義を検討会後記載予定
12
令和5年度厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究 日本専門医機構における医師専門
研修シーリングによる医師偏在対策の効果検証総括研究報告書「表 17 希望していた基本領域を選択しなかった理
由」
13
第7回医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会 日本消化器外科学会提出資料「働き方改革とインセ
ンティブ導入による消化器外科医の増加」
8
診療科の医師の推計は現状できておらず、薬物療法が高度化している中で薬物
療法の需要の増加(2025 年比で 15%増加)に対応するだけの、薬物療法の担
い手が確保できない懸念がある。
また、近年、遺伝子変異に基づく治療薬の開発が広がるとともに、標準治療の
中にそれらの治療薬が組み込まれてきている。実際に、がん遺伝子パネル検査
の薬事審査の過程を経て、検査の分析性能が担保された遺伝子変異の項目数も
増加している。これらについては、エキスパートパネルでの検討を経ずとも、
質の高いがんゲノム医療を提供することが可能となりつつある。がんの標準治
療を提供することが求められる医療機関として位置づけられている拠点病院等
において、がんゲノム医療が提供できるよう、関連学会等と連携し、その運用
面の改善を図りながら、質の高いがんゲノム医療の提供体制を構築していくこ
とが重要である。現在のがんゲノム医療中核拠点病院等の施設数の推移を鑑み
ると、2025 年6月現在の 282 施設から、拠点病院等を網羅する約 460 施設に
拡大するまで、2037 年頃までかかることが見込まれる。
3)がん医療の需給バランスを維持するための方策について
① 三大療法別の方策
(ⅰ) 手術療法
手術療法に関しては、構成比率の高い 60 歳以上の消化器外科医が、今後臨床現
場を離れることが見込まれる中、需要に見合う消化器外科医数を維持するため
には、日本消化器外科学会の試算に基づくと、少なくとも毎年●人の新たな成
り手の確保が必要であり、現状の●人から追加で●人の確保が必要となる11。
消化器外科医の新たな成り手が増加しない原因としては、長時間労働等により
ワーク・ライフ・バランスの確保が難しいこと、給与が勤務量に見合っていな
いこと等が挙げられている12。関連学会や医療機関等では、複数主治医制によ
る業務分担の推進や、個人へのインセンティブ導入といった取組等を実施して
いるところである13。また、次章「3. 高度な医療技術を伴うがん医療につい
て」にて詳述するが、高度な医療技術の質の確保するために、限られた医療資
10
第 17 回がん診療提供体制のあり方に関する検討会 日本臨床腫瘍学会提出資料「がん薬物療法専門医数と分布の予
測」
11
検討会にて、学会よりご発表いただいた定義を検討会後記載予定
12
令和5年度厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究 日本専門医機構における医師専門
研修シーリングによる医師偏在対策の効果検証総括研究報告書「表 17 希望していた基本領域を選択しなかった理
由」
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第7回医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会 日本消化器外科学会提出資料「働き方改革とインセ
ンティブ導入による消化器外科医の増加」
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