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参考資料4 がん検診Shared Decision Making(SDM)運用マニュアル2022年度版 (35 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34640.html
出典情報 がん検診のあり方に関する検討会(第39回 8/9)《厚生労働省》
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3. SDM 推進のための研修や支援
英国 NHS による SDM ガイドでは、SDM を推進するために、患者(受診者)、支援体制、医療者、
供給体制の 4 つの視点からの整備が必要としている 1)。
がん検診における SDM を実現していくには、SDM についての啓発を浸透させるとともに、継続
的な支援体制の構築が必要である。本研究班ではがん検診や SDM の基本的概念に関する講義
とともに、検診の事例をベースとした情報提供や支援対策について KJ 法 2)を用いた演習を通じて
ナースナビゲーションの研修会を行っている。SDM を伴うナースナビゲーションが必要と想定され
る事例(補足資料 4)を提示し、「5A Framework」(補足資料 5)に研修会参加書が各自記入する。
その結果をグループ内で検討し、カテゴリー化を行い、ナースナビゲーションの一連の支援対策を
作成する。その結果をグループ毎に公表し議論を行うことで、ナースナビゲーションの実践方法を
学習する形式をとっている。
我が国の医療では依然パターナリズムの傾向は強く、患者(受診者)への SDM の重要性につ
いて十分な理解が得られていない。SDM の推進には医療者の意識改革のために研究成果の公
表などを通して継続的に情報発信をしていく必要がある。また、SDM を担う医師・保健師・看護師
のための教育機会の提供として、研修会の開催、リカレント教育、e-learning なども検討されるべき
である。また、教育のみならず、SDM により集積される数多くの疑問点に科学的根拠に基づいた
情報提供ができる機会をホームページなどで提供する必要もある。そのためにも、SDM を通じたネ
ットワークを活用しながら、SDM 普及のための継続的支援体制が整備されることが望まれる。
文献
1)

NHS England and NHS improvement. Shared Decision Making Summary guide. 2019.
https://www.england.nhs.uk/wp-content/uploads/2019/01/shared-decision-making-summaryguide-v1.pdf

2)

川喜田二郎. 発想法 改版-創造性開発のために. 中公新書,中央公論社. 2017

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