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参考資料4 がん検診Shared Decision Making(SDM)運用マニュアル2022年度版 (26 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34640.html
出典情報 がん検診のあり方に関する検討会(第39回 8/9)《厚生労働省》
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さらに、本プログラムに参加の便潜血検査陽性者には、事前に登録されていた連絡先に看護師
が直接電話をし、精密検査受診を支援した。陽性者の既往歴や現病歴、便潜血検査陽性に関す
る捉え方などをヒアリングし、①便潜血検査陽性の意味や精密検査の必要性などについて情報提
供した。次に、②全大腸内視鏡検査に関して検査方法や検査時間、費用のほか、検査によるメリッ
ト、デメリットを伝え、受診者の意思決定を支援した。さらに、③受診者が確実に受診に至るよう、希
望する全大腸内視鏡実施医療機関に看護師が受診予約を行った。水戸市における従来の精密
検査受診率は 50%以下であったが、ナースナビゲーションにより、精密検査受診率は 80%-90%に
改善した。なお、精密検査受診者から 9 人のがんが発見され、検診参加者 1,034 人に占めるがん
発見率は 0.9%であった(図 2)。
この介入プログラムでは看護師が受診者に個別の対応を行い、個々の要望や疑問に直接対応
した。介入に先立ち、受診者からの質問を想定した回答(Q&A)や協力医療機関の情報など、事
前に看護師のナビゲーションを円滑にする大腸がん検診支援マニュアルを作成し、活用した。さら
に事前に全大腸内視鏡検査実施機関を設定し、受診者情報を共有することで、終了までのプロセ
スを確認することができた。
ナースナビゲーションによる精密検査受診支援を行ったが未受診となった理由は、入院など受
診者の体調によるもの、費用に関する経済的理由などのほか全く連絡がつかないものや、信念を
もって精密検査を受けないものであった。しかし、個別支援をきっかけに検診完遂に至る可能性が
高くなることもこの介入プログラムによって示唆された。
図 2. 看護師による精密検査受診支援
≪①便潜⾎陽性の意味≫
便潜⾎検査結果に関する説明
便潜⾎検査で陽性になったことがある
過去に陽性No

過去に陽性Yes

≪①便潜⾎陽性の意味≫
精密検査の必要性説明

≪過去の受診状況≫
陽性の時期とその時の対応
CF実施の有無
CFあり

CFなし

受診状況を把握

≪①≫の説明へ

≪②⼤腸内視鏡検査に関する説明≫
病院に確実につなげることが重要
≪③受診意思の確認≫
意思なし
受診の意思なしの理由

保留
後⽇確認

紹介

他院
受診先の確認

≪⓸病院紹介に関する説明≫

22

紹介病院に連絡