よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


03【資料1-1】新型コロナワクチンの接種について (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31559.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会(第45回 3/7)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

【1】今後の接種について

(2)ワクチンの有効性等に係る新たな知見等について

新型コロナワクチンの新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(long
covid)に対する効果
新型コロナウイルス感染症罹患前に新型コロナワクチンを接種した場合の、罹患後のlong covidの発症オッズ比は、
2回接種後で0.25ー1、3回接種後で0.16とする研究がこれまでに発表されている。
Byambasuren et al1(BMJ, 2023)
研究内容: 2020年1月1日ー2022年8月3日の期間において、PubMed、
Embase、Cochrane covid-19 trialsに収載された論文と、Europe PubMed
Centralに収載されたプレプリントが対象。新型コロナワクチンを接種した患者
における新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(long covid)に関する臨床
試験、コホート研究、症例対照研究を対象とした。新型コロナウイルス感染前、
感染後、long covid診断後の新型コロナワクチン接種による、long covidの発症
率に対する効果を評価したシステマティックレビュー。
結果: 1,645件の研究がスクリーニングされ、5か国(米国、英国、フランス、
イタリア、オランダ)で実施された、計614,392名の新型コロナウイルス感染
症患者を対象とした16件の観察研究が特定された。ランダム化比較試験は見つ
からなかった。研究間での異質性が高く、意義のあるメタアナリシスは実施で
きなかった。特定された研究では潜在的な交絡因子は調整されておらず、バイ
アスのリスクがあり、エビデンスの確からしさは低かった。

新型コロナワクチンのlong covidに
対する効果

特定された16件の研究結果からは、新型コロナワクチン接種によるlong covid
の発症オッズ比は以下の範囲で報告されている。
 新型コロナウイルス感染症罹患前の接種
‒ 1回接種:(対象研究数5件)0.22ー1.03
‒ 2回接種:(8件)0.25ー1
‒ 3回接種:(1件)0.16
‒ 全ての回数を含む:(5件)0.48ー1.01
 新型コロナウイルス感染症罹患後の接種:(9件)0.38ー0.91
現在までの研究は新型コロナワクチンにはlong covidに対する予防及び治療効
果がある可能性を示唆しているが、それらの効果を明確に結論付けるためには
堅牢な比較観察研究がさらに必要である、と著者らは述べている。
1. Byambasuren O, Stehlik P, Clark J, et al. Effect of covid-19 vaccination on long covid: systematic review. BMJ Medicine 2023;2:e000385.

14