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09参考資料1-3 9価ヒトパピローマウイルス( HPV )ワクチン ファクトシート (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000192554_00024.html
出典情報 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会(第49回 10/4)《厚生労働省》
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645

に、細胞診正常⼥性( 3,047 ⼈ )の HPV 感染状況を調べた近年の報告でも、年代別の HPV

681

646

陽性率は、16-19 歳で 39 %、20-24 歳で 34 %、25-29 歳で 34 %、30-34 歳で 27 %、35-39

682

647

歳で 21 %、40-44 歳で 16 %、45-50 歳で 12 %となり、年齢が上がるとともに HPV 陽性率

683

648

が減少する傾向が⽰されている(61)。

649

WHO によって精度・信頼性が確認された HPV タイピング法を⽤いた報告では、⽇本⼈

650

⼥性の⼦宮頸部病変( 647 ⼈ )を解析している(62)。浸潤がんで検出される HPV 型は頻

651

度の⾼い順に、HPV16( 47.7 % )、HPV18( 23.5 % )、HPV52( 8.7 % )、HPV58( 5.4 % )、

652

HPV33( 2.7 % )であった。また CIN2 では、HPV16( 29.3 % )、HPV52( 27.4 % )、

653

HPV58( 22.0 % )、HPV31( 9.8 % )、HPV51( 9.8 % )、CIN3 では、HPV16( 44.9 % )、

654

HPV52( 26.0 % )、HPV58( 17.4 % )、HPV31( 12.6 % )、HPV33( 4.5 % )であ

655

った。

図 18. ⽇本⼈⼥性の⼦宮頸がんでの HPV 型分布(60, 62-63)
60%
Onuki
50%

Azuma
Sakamoto

40%
30%
20%

656

⽇本⼈⼥性の⼦宮頸がん( 371 ⼈ )及び CIN( 1,526 ⼈ )で HPV 型分布を調べた最

657

近の報告では、浸潤がんで単独感染( single infection )で検出される HPV 型は頻度の⾼

658

い順に、HPV16( 48.7 % )、HPV18( 16.7 % )、HPV52( 11.8 % )
、HPV58( 3.9 % )、

659

HPV31( 4.9 % )であった(63)。また CIN3 では、HPV16( 39.6 % )、HPV52( 13.9 % )、

660

HPV58( 13.0 % )、HPV51( 6.5 % )、HPV31( 6.1 % )であった。

661

⽇本⼈⼥性の⼦宮頸がんでの HPV 型分布を、図 18 にまとめた。2 価・4 価 HPV ワクチ

662

ンの標的である HPV16,18 の割合を合計すると、64.9 %(60)、71.2 %(62)、65.4 %(63)で

663

あった。また 9 価 HPV ワクチンの標的である HPV16,18,31,33,45,52,58 の割合を合計する

664

と、81.0 %(60)、90.7 %(62)、88.3 %(63)であった。

665

HPV ワクチンの効果は、まず最初に前がん病変の減少として現れることから、前がん病

666

変( CIN2/3、AIS )における HPV 型分布を把握することは重要である。幾つかの報告(62-

667

64)から、⽇本⼈⼥性の CIN3 での HPV 型分布を、図 19 にまとめた。坂本らの報告では

668

CIN3 での HPV16,18 の割合は 45.3 %、HPV16,18,31,33,45,52,58 の割合は 80.9 %であっ

669

た(63)。⼀⽅、⿃居らは、複合感染例の寄与割合を単独感染例での HPV 型分布⽐で補正す

670

ることで、CIN2/3 での HPV16,18 の割合として 50.6 %、HPV16,18,31,33,45,52,58 の割合

671

として 84.1%の推定値を報告している(65)。

672

に対して約 90 %の⼦宮頸がんが 9 価 HPV ワクチンの標的となりうることが⽰された。

10%
0%
HPV16

684
685

HPV18

HPV31

HPV33

HPV45

HPV52

HPV58

図 19. ⽇本⼈⼥性の CIN3 での HPV 型分布(62-64)
60%
Kondo
50%

Azuma
Sakamoto

40%
30%
20%
10%

最近の⼩貫らの報告では、⽇本⼈⼥性での HPV ワクチンのインパクトを検討するために、

0%

673

⼦宮頸がん及び前がん病変( CIN2/3、AIS )と診断された 40 歳未満の⼥性での HPV 型

674

分布を調べている(66)。⼦宮頸がん( 1,004 ⼈ )
、CIN2/3 及び AIS( 3,073 ⼈ )の解析

686

675

から、HPV16,18 の割合は、⼦宮頸がんで 84.8 %、CIN2/3 及び AIS で 45.1 %であった。

687

676

また HPV16,18,31,33,45,52,58 の割合は、⼦宮頸がんで 93.6 %、CIN2/3 及び AIS で 89.4 %

688

677

であった。⼦宮頸がんにおける年齢層別の HPV16,18 の割合は、20-24 歳で 92.6 %、25-29

689

感染症流⾏予測調査事業は、厚⽣労働省健康局結核感染症課が主体となり、全国の都道府

678

歳で 87.3 %、30-34 歳で 87.0 %、35-39 歳で 82.5 %と年齢が上がるにつれて低下する傾向

690

県/都道府県衛⽣研究所、国⽴感染症研究所が協⼒して毎年度実施している予防接種法に

679

が認められた。⼀⽅、HPV16,18,31,33,45,52,58 の割合は、20-24 歳で 94.0 %、25-29 歳で

691

基づく事業である。定期接種対象疾患について⾎清抗体保有状況、予防接種実施状況等につ

680

95.5 %、30-34 歳で 94.2 %、35-39 歳で 92.8 %とほぼ⼀定を⽰しており、40 歳未満の⼥性

692

いて調査が⾏われている。

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HPV16

HPV18

HPV31

HPV33

HPV45

HPV52

HPV58

④ HPV16 に対する抗体保有状況

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