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資料1-2-9診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (60 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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<参考所見>
A.症状
1. 焦点性の発作(部分発作):比較的頻回にあり、発作の増加とともに一側半球機能障害の症状が顕在化
してくることが特徴。
2. 持続性部分てんかん((Epilepsia partialis continua:EPC))Ⅰ指やⅡ指に持続性のミオクローヌスとして見
られることが多いが、顔面や舌に見られることもある。
3. 一側半球障害:片麻痺、視野狭窄、失語などが観察される。
B.検査所見
1. 血液・生化学的検査所見:特異的所見なし。
2. 画像検査所見:発病から1年以内の MRI では、FLAIR 高信号病変(6/9 例)を認めることが多いが、明らか
な MRI 病変を認めない症例(2/9 例)もある。全経過で見ると、萎縮性病変は 80%以上に、T2 強調画像や
FLAIR 画像での高信号病変も 80%以上に出現する。高信号病変は、皮質単独>(皮質+皮質下白質)>
白質単独>(皮質+白質)の順に高頻度である。島回は高信号病変が出現しやすい部位である。高信号病
変は病状の悪化・改善に伴って出現・消褪という機能的な変化を示すことがあり、本症候群を疑うきっかけと
なる。ラスムッセン脳炎は一側性変化が有名であるが、長期に経過すると両側性の高信号病変も 20%程度
に認められる。
3. 生理学的所見:脳波所見では発作間歇時脳波で、初期は局在性、続いて一側半球性の徐波が見られる。
4. 病理所見:脳生検はあまり行われないが、手術時の組織検索で活性化ミクログリアと反応性グリオーシスを
示す T 細胞優位の脳の炎症所見があり、多数の脳実質内マクロファージ、B 細胞の浸潤がないことを特徴
とする。
5. 髄液検査:一般検査では細胞数は初期に増加するが、その後は正常範囲のことが多い。髄液蛋白濃度は
初期には正常範囲でその後上昇する、アルブミン濃度で見るとよりその傾向が顕著となる。髄液中の
Granzyme B は有意に高く、発病初期に高値で初期診断に役立つ。そのほかには髄液 IFN γ、IL-12 も初
期に高値となる。髄液 TNF αは発病初期から慢性期まで高値の症例が多い。髄液 GluR3 抗体、GluN2B(ε
2、NR2B)抗体などの自己抗体の証明が参考となるが、必ずしも全例に認められるわけではなく、他の自己
免疫関与の神経疾患症例でも認められることがあるので注意を要する。GluN2B 抗体は発病からしばらくし
て陽性化することが多い。
C.遺伝学的検査
1.CTLA4 遺伝子、PDCD1 遺伝子の SNP の検索

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