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資料1-2-9診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (26 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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143 ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん
○ 概要
1.概要
乳幼児期に発症する小型運動発作(ミオクロニー発作、失立発作、脱力発作など)を伴うてんかん群は、
その特異な発作型や治療抵抗性で世界的に早くから注目されてきた。中でも1歳以上になってから発症す
るものとしてレノックス・ガストー症候群(Lennox-Gastaut 症候群:LGS)が、全般性遅棘徐波と強直発作、非
定型欠神発作などの多彩な発作型を持つ独立したてんかん症候群として確立されたが、その後、Doose ら
は正常発達幼児で、遺伝性素因を背景としミオクロニー脱力発作を主徴とする「ミオクロニー脱力発作を伴
うてんかん」を提唱した。潜因性 LGS、乳児重症ミオクロニーてんかんや乳児良性ミオクロニーてんかんと
の異同が問題となった時期もあるが、1989 年国際てんかん症候群分類より独立したてんかん症候群として
認知された。
2.原因
痙攣性疾患の家族歴が高頻度であり、遺伝性疾患が想定されているが、まだ不明である。
3.症状
てんかん発症前の発達は正常、5歳未満の発症(2~5歳が最も多い。)で、てんかん発作型は主発作型
として①ミオクロニー屈曲発作、②ミオクロニー脱力発作/脱力発作によるてんかん性転倒発作が最も重要
で必須である。①ミオクロニー屈曲発作では、一瞬の躯幹の前方屈曲、特に腰のところで屈曲し、勢いよく
前方に放り投げられるように転倒し、②ミオクロニー脱力あるいは脱力発作では、文字通り、全身あるいは
立位を維持する姿勢制御筋の突然の脱力により、患者が転倒する。しかし、意識障害はなく、すぐに回復し
立ち上る。その他に③非定型欠神発作(重積)、全般性強直間代発作を合併する。睡眠時の全般性強直発
作は、一部の予後不良例に合併することが多い。脳波所見では焦点性脳波発射は希で、全般性2~3Hz
棘徐波と背景脳波に頭頂部優位単律動6~7Hzθ波の存在が特徴とされる。
4.治療法
抗てんかん薬治療に抵抗性とされるが、バルプロ酸、エトスクシミド、ラモトリギンなどで効果が期待される。
これらが無効の場合 ACTH 治療、ケトン食治療の有効性が高い。
5.予後
予後:50~80%の症例で発作は軽快する。知的予後は中等度遅滞から正常まで様々であるが、臨床経
過が短時間であるほど良好である。

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