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資料1-2-9診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (51 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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150 環状 20 番染色体症候群
○ 概要
1.概要
主症状は、難治な非痙攣性てんかん重積状態(意識が曇り、適切な行動ができない。)であり、ミオクロー
ヌス、小型又は大型の運動発作、複雑部分意識減損発作、非対称性の強直発作、過運動発作を伴うことも
ある。てんかんの平均発症年齢は6歳(0~24 歳)。特徴的な脳波異常を伴う。さまざまな程度の知的障害
や行動障害を伴うことがある。
2.原因
20 番染色体が 0.5~100%の率で環状になっている。原因は不明であり、遺伝子異常も明らかでない。
3.症状
数十分間意識が曇る非痙攣性てんかん重積状態が日単位あるいは週単位で頻発する。ミオクローヌス
を伴うこともある。小型又は大型の運動発作、複雑部分意識減損発作、非対称性の強直発作、過運動発
作がみられることが、特に小児では多い。脳波では、高振幅徐波や鋭波が単発あるいは短い連続で頻回
に出現し、容易に両側化する。発作時には、長時間持続する両側性の高振幅徐波がみられ、周波数が変
動し、小棘波や棘徐波が混在する。
外表奇形はまれである。さまざまな程度の知的障害や行動障害を伴うことがある。全ての細胞で環状染
色体がみられる例はまれであるが、その場合、奇形や重症の精神発達遅滞がみられる。
4.治療法
抗てんかん薬(バルプロ酸、ラモトリギンなど)をはじめ種々の薬物が用いられるが、極めて薬剤抵抗性で
あり、発作寛解は得られない得がたい。外科治療は無効である。
5.予後
10〜15 歳頃には脳波および発作症状はほぼ固定し、その後進行性に増悪することは少ないが、年齢とと
もに発作が軽減することもなく、てんかんは難治なままである。頻発する非痙攣性てんかん重積状態では、
動作緩慢、発語減少、保続、注意散漫、反応の遅延、あるいは不機嫌を示したり、不適切な応答や行動を
することが少なくないため、社会的な支障が極めて大きい。痙攣重積状態になり重篤な後遺症を残したり、
死に至る転帰をとることもある。

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