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資料1-2-9診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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<診断基準>
神経細胞移動異常症は、大脳皮質の形成過程における神経細胞移動(後)の障害によって生じた皮質形成異
常である。無脳回と厚脳回の古典型滑脳症、異所性灰白質(皮質下帯状異所性灰白質と脳室周囲結節状異所
性灰白質)、多小脳回、敷石様皮質異形成、裂脳症、孔脳症を含む。
A.症状
てんかん発作、知的障害、顔貌異常、内臓奇形、外性器異常、構語障害や嚥下障害などの偽性球麻痺症
状、筋症状など種々である。
B.検査所見
1. 血液・生化学的検査所見:特異的所見なし
2. 画像検査所見:必須の所見で、各病型別に注)に示した特徴的な脳構造異常を認める。
3. 生理学的所見:脳波はてんかん性異常所見を呈することが多い。
C.鑑別診断
画像所見上、無脳回は水頭症に伴う脳室拡大による脳溝の消失との鑑別、異所性灰白質は白質病変を主
体とする変性疾患や結節性硬化症の脳室壁在結節との鑑別、多小脳回・裂脳症は出産時や以後の循環障
害による萎縮性脳回の集合との鑑別、孔脳症は後天的な脳出血や外傷後の脳欠損などとの鑑別が必要であ
る。
D.遺伝学的検査

LIS1、DCX、TUBA1A、LIS1 から YWHAE までを含む染色体領域の微細欠失、COL4A1 などの遺伝子変異
を検索する。
注)画像所見のポイント
CT/MRI による検査を行い下記の病型別の特徴をとらえて診断する。微細な形態および信号異常の検出に
は MRI 検査が推奨される。
① 無脳回:前頭葉・後頭葉などほぼ脳葉全体にわたって脳溝が認められず、表面からみた脳回の幅が
広い場合で、皮質層の厚さは1cm 以上である。
② 厚脳回:無脳回と正常の中間であり、皮質層の厚さは4~9mm である。
③ 異所性灰白質(ヘテロトピア):灰白質すなわち神経細胞(核と胞体・樹状突起)の集まりが、本来神経細
胞の存在しない白質又は脳表・脳室に本来の灰白質と離れて存在する状態である。異所性灰白質の存
在部位により、主に皮質下帯状異所性灰白質と脳室周囲結節状異所性灰白質に分けられる。
④ 多小脳回:浅い脳溝で小さな脳回が入り組んで多数集簇する外観を示し、特に乳児早期の T2 強調画像
で検出しやすい。その後、成長に伴い MRI 上は一塊の肥厚した皮質として厚脳回様の外観を呈するが、
脳回の幅や皮質の厚さが不規則で脳表は細かく隆起していることが多く、古典型滑脳症の厚脳回との鑑
別点となる。多小脳回の約 60%はシルビウス裂を中心に病変が広がり傍シルビウス裂多小脳回とよば
れる。組織学的には大脳皮質表層の分子層が2層以下に細かく陥入した状態であり、特に浅い層の陥

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